研究課題/領域番号 |
19K22673
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中澤 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30361075)
|
研究分担者 |
小林 航 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20646442)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
キーワード | 緑内障 / iPS / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
当科ではヒトiPS細胞から立体網膜組織構造を作製することが可能となり、またその組織中に含まれる網膜神経節細胞を高純度に単離することが可能となった。このヒト網膜神経節細胞は神経突起を伸ばしながら30日程度生存することを確認しており、本研究テーマに有用な細胞であると考えられる。しかし、現状ではマウス眼内へ移植した細胞をライブイメージングで観察することは不可能である。そこで、マウス眼内へ移植したヒトiPS細胞由来網膜神経節細胞をイメージング出来るように、セーフ・ハーバー座位であるAAVS1領域へ網膜神経節細胞特異的プロモーター蛍光タンパク質をノックインしたヒトiPS細胞株の作製することを目的とした。網膜神経節細胞マーカーであるThy1のプロモーター領域をクローニングしてpcDNA-EGFP vectorへ導入し、プロモーター領域からポリA鎖までPCRで増幅した。AAVS1領域においてゲノム編集に効率的なgRNAの選定を行い、Sacas9-vectorへ組み込んだ。ゲノム編集の方法は編集効率が高いと報告されたMMEJ (Microhomologies-mediated end-joining) 法を用いた。Sacas9-vector 、DNA切断後の末端部分の短いマイクロホモロジーを両端に付加したノックイン用コンストラクト及びpcDNA-GFP plasmidをヒトiPS細胞に遺伝子導入した。GFP陽性iPS細胞をFACSで単離し、培養したiPS細胞からDNAを抽出した。ノックイン配列内部のプライマーにてPCRを行い、ゲノム編集の有無を確認したが該当する配列は確認されなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していたゲノム編集によるiPS由来網膜神経節細胞の蛍光標識ラベルが順調に進んでいないため
|
今後の研究の推進方策 |
今年度実施したノックインする配列が2.7kbp以上と長鎖であり、MMEJでの編集効率に影響を与えた可能性が考えられたため今後はノックイン配列の再検討を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に作製が困難であったiPS由来網膜神経節細胞の蛍光標識を引き続き実施し、網膜神経節細胞の単離ならびに眼球内移植による細胞の生着ならびに電気生理評価や組織学的評価、分子生物学的評価を実施する。
|