1) 筋骨格系由来のエクソソームを単離する技術の開発:筋骨格系細胞株を大量培養し、その培養上清から超遠心法にてエクソソームを単離した。単離したエクソソームの表面抗原解析を行い、筋骨格系細胞由来エクソソームに特異的な表面抗原の同定を進めた。 2) メカニカルストレスや重力の変化に伴って変動する血液中非コードRNAの同定:尾部懸垂後肢免荷マウス(尾部懸垂にて後肢へのメカニカルストレスを減少させ、後肢の骨量・筋量を低下させたマウス)および人工過重力環境飼育マウス(人工過重力環境飼育装置を用いて2~3Gの重力を負荷したマウス)より血液を採取した。血液中のエクソソームを単離し、非コードRNA の網羅的発現解析を実施することで、メカニカルストレスや重力の変化に伴って変動する非コードRNAの候補を同定した。また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、宇宙微小重力環境飼育マウスからの血液採取と血液中非コードRNAの網羅的発現解析を実施することを計画しており、宇宙実験に向けた一連の予備的検討を進めた。なお、マウスの宇宙ステーション「きぼう」への打ち上げは、2021年12月頃に実現する見込みである。 3) 同定した非コードRNAが個体の機能低下を誘導するメカニズムの解明:webでアクセス可能なデータベース等を利用して、同定した非コードRNAの標的遺伝子および生理作用について検討した。
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