研究課題/領域番号 |
19K22684
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
林 昭伸 三重大学, 医学系研究科, 助教 (10609043)
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研究分担者 |
林 幸壱朗 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80580886)
渡邉 昌俊 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90273383)
石井 健一朗 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (90397513)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 尿路上皮癌 / 金ナノ粒子 / exosome |
研究実績の概要 |
本研究では、泌尿器腫瘍(前立腺癌、尿路上皮癌、腎癌)細胞などの生体膜(細胞膜)を利用し、ナノ粒子をコアとした診断・治療用新規ナノキャリアを作製する。これは、癌細胞や癌関連線維芽細胞、腫瘍血管内皮細胞などの腫瘍微小環境を構成する細胞に対して(標的:腫瘍細胞および腫瘍微小環境)、抗癌剤あるいは核酸医薬品を特異的に導入でき、かつ血中滞在期間の延長など特徴を有し、イメージング、抗癌剤の併用などの多面的な治療の核となり、個別化治療が可能となる可能性を有すると考えられた。研究初年度より作製した尿路上皮癌(T24)の細胞膜でコートされた80nmの金ナノ粒子を用い、同粒子の尿路上皮癌細胞への取り込みが有意に増加したことの再確認と膜タンパクの発現を確認した。しかしながら、尿路上皮癌(T24)の細胞膜でコートされた80nmの金ナノ粒子の作製で、extrusion approachでは、その被膜の状態や、どのような成分が残存しているのか不明であり、また、そのコートされた金ナノ粒子の均一性が担保されないことが判明した。新たに、extrusion approachではなく、細胞本来が有する生理学的プロセスを利用した方法を試みた。ナノ粒子曝露により細胞に取り込まれたナノ粒子がexosomeという形で排出された場合、そのexosome内にナノ粒子が含まれる可能性が考えられた。方法としては、T24細胞に80nmの金ナノ粒子を暴露し、exosomeを回収して、電子顕微鏡にて、細胞内及びexosome内の金ナノ粒子の確認を行った。細胞内の金ナノ粒子が確認された。また、金ナノ粒子の曝露によりexosomeの放出は高まるも,exosome内の金ナノ粒子は確認できなかった。生理学的プロセス(exosome)を利用する方法は有効でないと判定した。
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