研究課題
骨軟部肉腫の治療成績は依然極めて不良であり、希少がんであるが故に新規治療の開発が滞っている。肉腫の特徴である組織特異的融合遺伝子関連因子タンパ ク質発現データベースの構築し、特に小胞体ストレスパスウェイの一つIRE1/XBP1に注目し研究を進めたユーイング肉腫においてその阻害剤が腫瘍増殖を著しく 阻害することを解明している。以上を元に現在まで全く不明である肉腫と小胞体ストレスの機能解明の基に、 骨軟部腫瘍組織型横断的な新規治療法開発を進め ている。本研究は治療成績が依然極めて不良である骨軟部腫瘍において新規治療法開発の基に予後改善を目指す。具体的には組織型特異的融合遺伝子に 基づい た整備されたタンパク質発現データベースを用い研究を進め、特にそのデータベース活用により発見された小胞体ストレスの各種パスウェイに注目し、骨軟部腫 瘍における機能・腫瘍増殖・阻害剤効果などの面より解明を進めている。また近年の他癌種において腫瘍細胞内/免疫細胞 内(樹状細胞/T細胞)の小胞体ストレス 応答が、発癌・癌増殖と関連付けられていることを起点に免疫面よりも解明を進めている。以上より現在まで不明である骨軟部腫瘍と小胞体ストレスの生物学的 機能を解明し、それを基に新規治療法開発を進め、骨軟部腫瘍生命予後の改善に挑んでいる。本年度昨年度に引き続きは (A-1)骨軟部腫瘍の小胞体ストレスパスウェイ発現検証、(A-2) 小胞体ストレスパス ウェイの機能解析、(A-3) 遺伝子発現・遺伝 子変異解析とネット ワーク解析、(A-4) 阻害剤のin vivo解析を進め実臨床試験へ準備の中で、(A-1),(A-2)について行い、小胞体ストレスパスウェイ解析にて特に骨肉腫に複数の解析価値あるパ スウェイが同定可能であった。
3: やや遅れている
昨年度に引き続き、小胞体ストレスパスウェイ解析にて複数の解析価値あるパスウェイが同定可能であったため機能解析の再計画を行った。
昨年度に引き続き、(A-1)骨軟部腫瘍の小胞体ストレスパスウェイ発現検証として、骨軟部腫瘍組織型それぞれの腫瘍検体及び細胞株にて小胞体ストレスパスウェ イ発現を確認し、臨床病理学的因子解析を進め、骨軟部腫瘍での小胞体ストレス発現解明とデータベース化を行う。(A-2) 小胞体ストレスパスウェイの機能解析として各組織型腫瘍細胞株で各パスウェイを発現制御、各阻害剤を用いた抗腫瘍効果を検証する。 (A-3) 遺伝子発現・遺伝子変異解析とネットワーク解析として、小胞体ストレスパスウェイの機能解析で腫瘍抑制効果を認めた標的遺伝子の制御細胞株にて網羅的遺伝 子発現・遺伝子変異解析、ゲノムワイドに機能解明を行う。(A- 4) 阻害剤のin vivo解析を進め実臨床試験へ準備を進める。 (B-1)骨軟部腫瘍の免疫担当細胞のプロファイリングとして患者血液と手術検体の各種免疫担当細胞 についてマルチカラーフローサイトメーター等にて計測を進める。免疫担当細胞の腫瘍組織内の局在相互関連については、蛍光色素を用いた免疫多重染色にて解析を行う。(B-2)小胞体ストレス関連免疫担当細胞の同定として、小胞体ストレス発現と免疫担当細胞のプロファイリングの比較解析を行い、骨軟部腫瘍特異的な小胞体ストレス関連免疫担当細胞の同定を進める。特にすでに報告のある樹状細胞と制御性T細胞のプロファイリングに注目して解析を進める。
小胞体ストレスパスウェイ解析にて複数の解析価値あるパスウェイが同定可能であったため機能解析の再計画を行った。昨年度に引き続き下記に使用する。(A-1)骨軟部腫瘍の小胞体ストレスパスウェイ発現検証として、骨軟部腫瘍組織型それぞれの腫瘍検体及び細胞株にて小胞体ストレスパスウェ イ発現を確認し、臨床病理学的因子解析を進め、骨軟部腫瘍での小胞体ストレス発現解明とデータベース化を行う。(A-2) 小胞体ストレスパスウェイの機能解析として各組織型腫瘍細胞株で各パスウェイを発現制御、各阻害剤を用いた抗腫瘍効果を検証する。(A-3) 遺伝子発現・遺伝子変異解析とネットワーク解析として、小胞体ストレスパスウェイの機能解析で腫瘍抑制効果を認めた標的遺伝子の制御細胞株にて網羅的遺伝 子発現・遺伝子変異解析、ゲノムワイドに機能解明を行う。(A- 4) 阻害剤のin vivo解析を進め実臨床試験へ準備を進める。(B-1)骨軟部腫瘍の免疫担当細胞のプロファイリングとして患者血液と手術検体の各種免疫担当細胞 についてマルチカラーフローサイトメーター等にて計測を進める。(B-2)小胞体ストレス関連免疫担当細胞の同定として、小胞体ストレス発現と免疫担当細胞のプロファイリングの比較解析を行い、骨軟部腫瘍特異的な小胞体ストレス関連免疫担当細胞の同定を進める。
すべて 2021 2020 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (21件) (うち国際共著 1件、 査読あり 20件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件)
Annals of Surgical Oncology
巻: 28 ページ: 3919~3927
10.1245/s10434-020-09308-6
Clinical Orthopaedics & Related Research
巻: 479 ページ: 838~852
10.1097/CORR.0000000000001548
European Journal of Cancer
巻: 145 ページ: 109~120
10.1016/j.ejca.2020.12.001
Oncology Letters
巻: 21 ページ: 212
10.3892/ol.2021.12473
Journal of Toxicologic Pathology
巻: 34 ページ: 89~93
10.1293/tox.2020-0061
Modern Pathology
巻: 34 ページ: 786~797
10.1038/s41379-020-00690-w
Human Pathology: Case Reports
巻: 23 ページ: 200478~200478
10.1016/j.ehpc.2021.200478
Histopathology
巻: - ページ: 1
10.1111/his.14311
BioRxiv
巻: 2020 ページ: 308940
10.1101/2020.09.22.308940
Virchows Archiv
10.1007/s00428-020-02955-w
Scientific Reports
巻: 10 ページ: 1
10.1038/s41598-020-75596-3
巻: 78 ページ: 240~251
10.1111/his.14210
Human Pathology
巻: 103 ページ: 42~51
10.1016/j.humpath.2020.07.007
巻: 77 ページ: 492~502
10.1111/his.14158
Journal of Orthopaedic Surgery
巻: 28 ページ: 1
10.1177/2309499020929786
Pathology International
巻: 70 ページ: 295~299
10.1111/pin.12919
Clinical Orthopaedics & Related Research
巻: 478 ページ: 2461~2476
10.1097/CORR.0000000000001322
Journal of Thoracic Oncology
巻: 15 ページ: 948~961
10.1016/j.jtho.2020.01.021
Respiratory Investigation
巻: 58 ページ: 275~284
10.1016/j.resinv.2020.01.003
Thoracic Cancer
巻: 11 ページ: 140~149
10.1111/1759-7714.13255
巻: 125 ページ: 130~141
10.1016/j.ejca.2019.07.029