研究課題/領域番号 |
19K22694
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
末原 義之 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (70509405)
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研究分担者 |
高阪 真路 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (00627119)
小林 英介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (40365292)
北野 滋久 公益財団法人がん研究会, 有明病院 がん免疫治療開発部, 部長 (60402682)
林 大久生 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70569128)
齋藤 剛 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80439736)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 骨軟部腫瘍 / 骨軟部肉腫 / 小胞体ストレス |
研究実績の概要 |
骨軟部肉腫の治療成績は依然極めて不良であり、希少がんであるが故に新規治療の開発が滞っている。肉腫の特徴である組織特異的融合遺伝子 関連因子タンパク質発現データベースの構築し、特に小胞体ストレスパスウェイの一つIRE1/XBP1に注目し研究を進めたユーイング肉腫においてその阻害剤が腫瘍増殖を著しく阻害することを解明している。以上を元に現在まで全く不明である肉腫と小胞体ストレスの機能解明の基に、 骨軟部腫瘍組織型横断的な新規治療法開発を進めている。本研究は治療成績が依然極めて不良である骨軟部腫瘍において新規治療法開発の基に予後改善を目指す。具体的には組織型特異的融合遺伝子に 基づいた整備されたタンパク質発現データベースを用い研究を進め、特にそのデータベース活用により発見された小胞体ストレスの各種パスウェイに注目し、骨軟部腫瘍における機能・腫瘍増殖・阻害剤効果などの面より解明を進めている。また近年の他癌種において腫瘍細胞内/免疫細胞 内(樹状細胞/T細胞)の小胞体ストレス応答が、発癌・癌増殖と関連付けられていることを起点に免疫面よりも解明を進めている。以上より現在まで不明である骨軟部腫瘍と小胞体ストレスの生物学的機能を解明し、それを基に新規治療法開発を進め、骨軟部腫瘍生命予後の改善に挑んでいる。 本年度昨年度に引き続きは (A-1)骨軟部腫瘍の小胞体ストレスパスウェイ発現検証、(A-2) 小胞体ストレスパス ウェイの機能解析、(A-3) 阻害剤のin vivo解析を進め実臨床試験へ準備の中で、(A-1),(A-2),(A-3)について行い、小胞体ストレスパスウェイ解析にて特に骨肉腫に複数の解析価値あるパスウェイを同定し、XBP1,PERKの機能解析及び阻害剤のin vitro解析まで行い成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、小胞体ストレスパスウェイ解析にて複数の解析価値あるパスウェイが同定可能であったため機能解析の再計画を行った。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、(A-1)骨軟部腫瘍の小胞体ストレスパスウェイ発現検証として、骨軟部腫瘍組織型それぞれの腫瘍検体及び細胞株にて小胞体ストレスパスウェ イ発現を確認 し、臨床病理学的因子解析を進め、骨軟部腫瘍での小胞体ストレス発現解明とデータベース化を行う。(A-2) 小胞体ストレスパス ウェイの機能解析として各組 織型腫瘍細胞株で各パスウェイを発現制御、各阻害剤を用いた抗腫瘍効果を検証する。(A-3) 阻害剤のin vivo解析を進め実臨床試験へ準備を進める。 特に(A-4) 遺伝子発現・遺伝 子変異解析とネットワーク解析として、小胞体 ストレスパスウェイの機能解析で腫瘍抑制効果を認めた標的遺伝子の制御細胞株にて網羅的遺伝 子発現・遺伝子変異解析、ゲノムワイドに機能解明を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
遺伝子発現・遺伝子変異解析とネットワーク解析として、小胞体 ストレスパスウェイの機能解析で腫瘍抑制効果を認めた標的遺伝子の制御細胞株にて網羅的遺伝 子発現・遺伝子変異解析、ゲノムワイドに機能解明を行うことを進めたが試薬の問題が生じたため。
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