研究課題/領域番号 |
19K22697
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
久保 秀司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
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研究分担者 |
山野 智基 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00599318)
麸谷 博之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30248140)
中込 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80434950)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | がんウイルス療法 / 増殖型レトロウイルスベクター / 骨肉腫 |
研究実績の概要 |
申請者らが開発した増殖型レトロウイルスベクター(RRV)を用いたがんウイルス療法の骨肉腫肺転移への適応拡大を目指し、間葉系幹細胞(MSC: Mesenchymal Stem Cell)をキャリアとして利用した腫瘍へのRRV輸送法の開発を目指す。 1. MSC及び骨肉腫細胞におけるRRVの感染効率、増殖効率、RRV産生能の評価 ヒトMSC(骨髄由来3株、脂肪由来1株、臍帯由来1株)及びヒト骨肉腫細胞株6株について、GFP発現RRVを用いて、RRVの感染効率、増殖効率及びRRV産生能を評価した。いずれのMSCにおいても骨肉腫腫瘍細胞株に比べ、感染効率は2~15倍低く、増殖効率は10~25倍低かった。しかしウイルス量を増やす事で10cmディッシュ程度のスケールでも一度の感染で100%の効率を得られた。RRV産生能については、いずれのMSCにおいても腫瘍細胞株に比べ10倍以上低かった。 2. MSCの腫瘍細胞への遊走、RRV伝達効率の評価 レンチウイルスベクターを用いてGFP標識したMSCとmCherry標識した腫細胞株をTranswell plateを用いた培養系を用い、MSCの骨肉腫細胞株への遊走能を検討した。いずれのMSCも足場依存性及び非依存性の腫瘍遊走能を示した。さらにGFP発現RRVを感染させたMSCとmCherry標識ヒト骨肉腫細胞株をTranswell plateを用いた培養系を用い、MSCから腫瘍細胞へのRRV伝達効率の評価を検討した。いずれのMSCも腫瘍細胞にRRVを伝達することが明らかとなった。さらに接触共培養においては、Transwell plateを用いた培養(非接触共培養)に比べ、RRV伝達効率が格段に向上することが判明した。 以上の結果より、MSCをキャリアとしてRRVを癌に効率良く到達・分配させる技術のin vitroにおける原理証明ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのin vitroにおける実験については、おおむね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、申請計画通りにマウスを用いた実験を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:培養用の培地、試薬を購入する予定であったが、在庫が残っていたため、購入を次年度に持ち越した。 使用計画:培養用の培地、試薬を購入する。
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