研究課題
1. ヒト骨肉腫肺転移マウスモデルの作製従来の報告に見られる方法で肺転移モデル作製を試みた。即ちmCherry標識骨肉腫細胞株(1~2 x106個)をヌードマウスの尾静脈から投与し、肺における腫瘍形成をIn Vivo Imaging System (IVIS Lumina-II, 現有設備)を用いて評価した。しかし治療実験に用いる予定で皮下腫瘍の作製には成功していたMG-63、MNNG-HOS細胞株では、肺に腫瘍形成を認めなかった。一方でマウスLM8細胞株を用いてモデル作製を試みたところ、全例で肺転移腫瘍形成を認めた。他のヒト細胞株でも検討を進めたところ、肺転移好発株の一つであるヒト143B細胞株でも肺転移を形成した。さらに143B細胞では増殖型レトロウイルスベクター (RRV) による感染増殖効率と殺細胞効果が高が高かった。したがって治療実験には143Bを用いた肺転移モデルを使用することにした。2. ヒト骨肉腫肺転移マウスモデルを用いた治療実験自殺遺伝子であるシトシン脱アミノ化酵素(CD)を発現するRRV (RRV-CD) を感染させた143B細胞(治療群)、及び非感染143B細胞(未治療群)をそれぞれヌードマウスに尾静脈注射した(各群9匹)。その7日後より70日目まで、薬物前駆体である5-FCを隔日投与した。その結果、未治療群では77日目までに全例死亡した。一方、治療群では84日目まで全例生存しており、RRVを用いた細胞死誘導型ウイルス療法が高い抗腫瘍効果を示した。今後さらに検討を進めて行く。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)
PLoS One
巻: 16 ページ: e0250072
10.1371/journal.pone.0250072.