研究課題/領域番号 |
19K22712
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
丸山 健太 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, 特別協力研究員 (60724119)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 腸骨連関 / メカノセンサー / 骨代謝 / 腸内細菌 |
研究実績の概要 |
研究代表者らは、近年発見されたメカノセンサー遺伝子X(未公開)をマウス腸管上皮特異的に欠損させると、骨量が顕著に増加することを見出している。腸内環境の無菌化は骨量を増大させることが知られているが、メカノセンサー遺伝子Xの腸管上皮特異的欠損マウスは抗生剤投与による腸内細菌量減少に伴った骨量増加を呈さない。現時点でメカノセンサー遺伝子Xの天然リガンドは知られておらず、これらの予備的知見は腸内細菌の何らかの成分が腸管上皮に発現する当該遺伝子のリガンドとなってこれを活性化することで骨代謝を制御している可能性を示唆している。詳細な解析の結果、メカノセンサー遺伝子Xは、腸上皮においては機械刺激によって活性化されているわけではなく、細菌由来の成分Y(未公開)を認識して活性化されていることを示唆する知見を得た。興味深いことに、当該遺伝子を活性化された腸上皮は、骨形成を抑制するホルモンを産生することで骨量を低下させていた。本研究により、腸骨連関による骨量制御機構の全貌が明らかとなりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
腸骨連関による骨量制御機構の全体像が明らかとなりつつあるが、メカノセンサー遺伝子X が細菌由来の成分Yによって活性化する分子メカニズムの解明が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
メカノセンサー遺伝子Xが今回同定したリガンド(未公開)によって活性化されるメカニズムを明らかにする。また、メカノセンサー遺伝子Xが活性化された際に如何なるシグナル伝達経路が活性化されるのかを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に、大阪大学免疫学フロンティア研究センター8Fの研究室を生理学研究所山手2号館7階に移動させる必要が生じた。2019年の4月から10月は、技術員の雇用、研究室の内装工事、機器の搬入、動物実験計画書・遺伝子組み換え計画書の審査、ならびに科研費と民間助成金の移行手続きに費やされたため、サイエンスの停滞が生じた。こうした事情から、メカノセンサー遺伝子Xが細菌由来の成分Yによって活性化される分子メカニズムを解明するための実験が停滞し、次年度使用額が生じた。今後はメカノセンサー遺伝子XをCRISPR-Cas9システムでノックアウトしたセルラインを用いて、メカノセンサー遺伝子Xが細菌由来成分で活性化される分子メカニズムの探求、ならびにその下流のシグナル伝達経路の解明につとめる。
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