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2019 年度 実施状況報告書

Aurora-B による多能性幹細胞の分化制御機構の解明と再生医療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K22718
研究機関徳島大学

研究代表者

工藤 保誠  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (50314753)

研究分担者 北島 正二朗  慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任講師 (00452590)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2021-03-31
キーワード多能性幹細胞 / Aurora-B / 未分化能
研究実績の概要

本研究では多能性幹細胞のAurora-Bキナーゼ活性による未分化維持機構の解明とその機構に基づいた初期化や分化誘導への臨床応用を模索することを目的としている。これまでに、Aurora-Bキナーゼ活性が多能性幹細胞の未分化能維持に関与することを明らかにしており、実際にAurora-B阻害剤であるBarasertibを多能性幹細胞に投与すると分化マーカーの上昇が見られることを見出している。本研究では、Aurora-Bによる未分化能維持に、Aurora-Bキナーゼの基質タンパク質であるヒストンH3のSer10(H3S10)のリン酸化がクロマチン構造を変化させ、未分化能維持に関わる遺伝子発現を制御するのではないかとの仮説を証明する。本年度は、まず、Barasertibを投与することにより分化させた際におこるヒストン修飾の変化を網羅的に解析した。H3K9のメチル化およびH3K79のメチル化の減少が認められた。その他のヒストン修飾に有意な差は認められなかった。さらに、H3K9に結合し、ヘテロクロマチン形成に関与するHP1の発現をクロマチン分画を用いてウエスタンブロット法により検討したところ、Barasertibの投与の有無で顕著な変化は認められなかった。そこで、遺伝子発現制御の変化を網羅的に検索するため、ATAC-seq解析を行った。現在、その解析結果を分析している最中です。また、Aurora-Bキナーゼの活性化による初期化効率の改善を検討するために、線維芽細胞への山中因子(OCT3/4、SOX2、KLF4、C-MYC)の導入を検討し、iPS細胞作成を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、Aurora-Bキナーゼ阻害剤であるBarasertibを投与することにより分化させた際におこるヒストン修飾の変化とH3K9に結合し、ヘテロクロマチン形成に関与するHP1の発現をクロマチン分画を用いて検討したが、H3K9のメチル化およびH3K79のメチル化の減少が認められた他は、顕著な差が認められなかった。そこで、伝子発現制御の変化を網羅的に検索するため、ATAC-seq解析を行っているため、その解析結果に基づき、ChiP解析などを行う予定である。
また、線維芽細胞への山中因子(OCT3/4、SOX2、KLF4、C-MYC)の導入を検討し、iPS細胞作成を検討した。以上より、概ね研究が順調に進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

今後は、ATAC-seqの解析結果の分析を進め、その結果をもとにChiP-seqなど詳細な解析を行う予定である。また、iPS細胞の作成過程において、Aurora-Bキナーゼ活性を阻害するBarasertibの投与を組み合わせ、初期化導入効率の改善を検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

分担研究者の研究過程で、クロマチン免疫沈降実験について細胞等の実験試料の準備に時間を要したため、実際に実験で使用する試薬等の購入が次年度に繰り越したため。翌年度分として請求した研究費と合わせて、クロマチン免疫沈降実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (3件)

  • [国際共同研究] New York University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      New York University
  • [国際共同研究] The University of Edinburgh(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      The University of Edinburgh
  • [学会発表] 染色体パッセンジャー複合体による多能性幹細胞の未分化能維持機構2019

    • 著者名/発表者名
      常松貴明、石丸直澄、工藤保誠
    • 学会等名
      第37回染色体ワークショップ・第18回核ダイナミクス研究会
  • [学会発表] 染色体パッセンジャー複合体によるAurora-B活性を介した多能性幹細胞の未分化能維持機構2019

    • 著者名/発表者名
      常松貴明、石丸直澄、工藤保誠
    • 学会等名
      第16回日本病理学会カンファレンス
  • [学会発表] The maintenance of pluripotency by chromosome passenger complex in pluripotent stem cells.2019

    • 著者名/発表者名
      常松貴明、石丸直澄、工藤保誠
    • 学会等名
      第11回日本RNAi研究会

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公開日: 2021-01-27  

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