研究課題/領域番号 |
19K22737
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
野村 恭子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40365987)
|
研究分担者 |
長島 健悟 統計数理研究所, 医療健康データ科学研究センター, 特任准教授 (20510712)
長阪 一憲 帝京大学, 医学部, 講師 (30624233)
平池 春子 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (30771258)
石川 ひろの 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40384846)
竹内 武昭 東邦大学, 医学部, 准教授 (60453700)
根本 明日香 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20722482)
寺田 幸弘 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (10260431)
南園 佐知子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60567840)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 子宮頸がん / ワクチン接種 / 行動変容 / ソーシャルネットワークサービス |
研究実績の概要 |
子宮頸がんは20~40歳までの若い女性に多く、毎年約3千人が本邦で死亡している。子宮頸がんワクチンは2013年に定期接種化されたが、接種後の疼痛やけいれんなど深刻な有害事象が認められたため、積極的推奨が中断、現在の接種率は限りなく低い。本申請研究の目的は、若い世代が子宮頸がんの脅威を認識し、ワクチンのリスクとベネフィットについて正しく理解し、自らが接種行動を判断できるヘルスリテラシー(情報を正しく活用する力)を科学的に検証することである。本研究では①子宮頸がんとワクチンに関し、副反応の情報も含めた中立的かつ客観的な医療情報の作成を行い、②医療情報の介入方法によって半年あるいは1年後の知識・リスク認知とヘルスリテラシー、ワクチン接種率がどのように変化するかを測定する。介入方法には、郵送による配布資料、Webサイト(Facebookか Tweeter, Lineの SNS非公開グループか 一方通行Webなど)の2群に無作為化割付を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、都内私立A大学(学生総数2万規模)において倫理審査が承認され、リクルートを開始した。しかしながら、調査参加者が100名にも満たず、困難を極めた。この状況を打破するため、某県の国立B大学(学生総数5000名規模)に研究協力を要請、関係機関の調整を行い、同大学における倫理審査がやっと2020年4月に通過した。準備中に、医療情報について、産婦人科医師、医師会の子宮頸がん関連委員会などに意見を求めながら最終案を作成、産婦人科医師による校閲を行った。さらに研究代表者の講座内に子宮頸がんワクチンの特設ページを設け(パスワード制限管理つき)、SNSコンテンツを完成させた。さらに完成させたコンテンツをパイロットとして実際の学生10名程度にSNSを用いて行った。準備は整いいつでも開始できる状況にある。しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症の影響のため、新入生の初登校はもちろん、上級生の大学構内への立ち入り禁止が継続しており、学生の不安定な精神状況を考慮すると今は適切なタイミングでないと判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症が落ち好き、新入生が校内に入ることが許されると同時に、学生がネット環境になれ、学業に支障がでないタイミングを見計らって研究を開始したい。関連文献についても収集を開始し、文献整理から知見を得る点についても科学的検証を検討していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度に計画していた研究協力施設でのリクルートが難渋したため、新しく別の大学において研究協力を要請した。このため、倫理委員会の申請の通過や、研究協力体制の確保を当初予定していた場所や地域と異なる箇所で新たにやり直しとなったため計画が大幅に遅れた。
|