研究課題/領域番号 |
19K22742
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
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研究分担者 |
村山 陵子 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10279854)
野口 博史 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任講師 (50431797)
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70547827)
高橋 聡明 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任助教 (50824653)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | Augmented Reality / シミュレーション / 超音波画像装置 / 静脈穿刺 |
研究実績の概要 |
看護師向けの血管穿刺教育やシミュレータを取り巻く状況が急速に変化していることを受け,改めて穿刺技術の教育システムについて検討した.超音波検査装置の小型化・安価化を受け,看護師の静脈穿刺時に超音波検査装置を想定される一方で現状それらの教育システムがないことから,超音波検査装置を用いた穿刺に関する教育を主眼とすることとした.既存研究並びに既存シミュレーションデバイス・ソフトウエアに対する調査,加えて,看護師への穿刺に関する教育に詳しい研究者との議論から,新人看護師や学生などが自宅で実現可能な範囲でのデバイスなどの教育システムのデバイスの構成などの策定,Augmented Reality (AR)システムを用いた教育プログラム構成,また,その教育コンテンツについての整理を行った.ARシステムの構築に関しては,システムで利用する3次元データ取得として,健常者での超音波検査装置の血管計測ならびに3次元腕表面形状計測を行い,ベースとなる3次元モデルや超音波検査装置画像データモデルの構築についても取り組んだ.2020年度からは,それらの仮想的な3次元提示や穿刺針や超音波プローブのモックアップの位置計測に基づく,ARシステム基盤構築に着手する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
看護師向けの血管穿刺教育やシミュレータを取り巻く状況が急速に変化していることを受け,穿刺技術の教育システムの全体コンセプトについての再検討を行った.既存研究並びに既存シミュレーションデバイス・ソフトウエアに対する調査に加えて,血管穿刺の研究者や,看護師向けの穿刺教育に詳しい研究者,看護の最新状況に詳しい研究者,工学研究者など様々な研究者とのミーティングを通じて,ターゲット並びに,コンセプトについての再整理を行った.その結果,超音波検査装置の小型化・安価化を受け,看護師の静脈穿刺に今後,超音波検査装置が活用されることが想定される一方で,現状それらの教育システムがないことから,単なる穿刺教育を仮想的に行うのではなく,超音波検査装置を用いた穿刺教育を主眼としたシミュレータシステムの構築を行うことにし,コンセプトを再構築した.加えて,新人看護師や学生などが自宅で実現可能な範囲でのデバイスなどの教育システムのデバイスの構成などの策定,Augmented Reality (AR)システムを用いた教育プログラム構成,また,その教育コンテンツについての整理を行った.ARシステムの構築に関しては,システムで利用する3次元データ取得として,健常者での超音波検査装置の血管計測ならびに3次元腕表面形状計測を行い,超音波検査装置の画像データからベースとなる3Dの血管モデルの構築についても取り組んだ.
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今後の研究の推進方策 |
前年度では,穿刺教育のシステムのコンセプト策定ができ,また,ベースとなる3次元データ計測の目処がたったことを受け,ARシステム基盤構築をすすめる.具体的には,仮想環境でも最低限実環境に近い状況を提示するために,仮想的に穿刺を行うベースとなるシリコン等の皮膚に近い素材による腕のモックアップや,超音波検査装置の仮想的なプローブのモックアップの作成を行う.また,ARシステムの作成のため,D-RGBカメラなどを利用し,プローブの位置などを推定する方法についてすすめる.加えて,3次元提示のための3D血管モデルについては,データ計測を進め,バリエーションを増やし教育時に提示できる種類を増やすことを目指す.また,それらの3Dモデルからの仮想的な超音波画像生成の方法論の確立も行う.教育コンテンツとしては引き続きシステムとしての提示方法などを既存の看護師向けの教育や穿刺技術に関する知見を元にシナリオを詰める.これらを統合し,ARに基づく教育システムのベースとなる基盤部分を構築することを目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
3D構築に必要な機器についてすでに保有している機器を最大限活用することで今年度の研究を遂行した。一方で、より詳細なデータ取得および実装を見据えた機器選定も必要であるため次年度はその費用に充てるようである。
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