2015年に介護予防・日常生活支援総合事業が全国で開始され、各自治体では急ピッチで持続可能な生活支援サービス提供体制構築に向けた整備が進められている。しかし、生活支援サービス利用状況の詳細な検討は未だ十分に行われていない。本研究は、訪問型生活支援サービス利用状況の時系列ビッグデータを用い、他領域で発展してきた時系列データ解析手法を取り入れることで、①生活支援サービスはどのように類型化されるのか、②類型化されたサービスの利用状況は経時的にどのような軌跡を辿って変化するのか、③その軌跡はどのような利用者特性の影響を受けるのか、を明らかにする。本研究は、セコム株式会社「セコム暮らしのパートナー久我山」(以下、暮らしのパートナー)との産学連携研究として実施した。延長申請を行った3年目の2021年度は、これまでに整備したデータの解析を行った。解析は以下の2つの視点で行った。 1.プライベートサービスで補われている高齢者生活支援の需要 セコムのプライベートサービスと契約している高齢者が利用した内容、利用頻度、利用時間を介護認定の有無によって層別化して記述した。また、サービス契約後のサービス利用頻度の時間的変遷について、サービス内容ごとに記述した。 2.独居の高齢者が利用している生活支援プライベートサービス セコムのプライベートサービスを契約している高齢者が利用しているサービス内容、利用頻度、利用時間を独居か否かによって層別化して記述した。
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