研究課題
本研究の目的は、高齢者ケアを支える介護職や看護職等のケア実践者が、高齢者へのケア実践において発揮している創意・工夫をクリエイティビティ(CR)とし、CRの評価尺度を開発することである。CRとは「発見する力や発見を価値の創造につなげる力のようなもの」である。2021年度は、COVID-19感染拡大の影響を注視しながら、状況収束後に、本研究の本質的目的が達成されるよう、実施が許される範囲で国内外での情報収集・インタビューや質問紙調査を検討・実施予定であった。実際には、COVID-19感染拡大の影響が続いたため、インタビューや質問紙調査の実施を見送らざるを得なかった。そのため2021年度は、(1)前年度に行った特別養護老人ホーム(特養)への質問紙調査の分析結果をまとめ学術集会で発表するとともに英文誌を通じて公表した。前年度の特養対象の質問紙調査では、全国8,097施設から2,000施設を層化無作為抽出し、認知症ケア経験1年以上の介護職または看護職(各施設1名)より無記名自記式質問紙への回答を得た。調査内容は、ケアに関する創意工夫(利用者本人が最期の時を穏やかに過ごすためのケアについての創意工夫など)の自由記載、The Person-centered Care Assessment Tool (P-CAT)日本語版の信頼性・妥当性検証に関する質問等であった。(2)COVID-19パンデミック下の高齢者ケアにおける創意工夫について、海外の研究者との定期的な会議を遠隔会議システムを活用して継続した。
3: やや遅れている
研究目的を達成するには、高齢者ケアを支える介護職や看護職等のによる日々の業務に埋もれている創意・工夫を見つけ出す必要があり、研究者が現地に行って提供されているケアを観察する必要がある。しかし、COVID-19感染拡大状況から、感染しやすい高齢者のいる施設等に観察に行くことができない状況が続いている。
2022年度は昨年度に引き続き、COVID-19感染拡大の影響を注視しながら、本研究の本質的目的が達成されるよう、国内外における情報収集・インタビュー・質問紙調査など、CRを確認・評価できる方法について検討を重ねる。更に、実施が許される範囲で実施して、本研究の目的の達成を目指す。
COVID-19感染拡大の影響を受けて、研究計画どおりに実施することができなかったため。COVID-19感染拡大の影響を注視しながら、本研究の本質的目的が達成されるよう、実施が許される範囲でCRを確認・評価できる方法について検討する。
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