研究課題/領域番号 |
19K22747
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
有森 直子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90218975)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 遺伝/ゲノム看護 / 遺伝性疾患 / ケア / データベース |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、遺伝性疾患別の看護のデータベース構築の基礎となるコンテンツを明らかにし、モデルデータベースを開発し評価することである。初年度は、ダウン症候群のケアに関する文献研究、マルファン症候群の当事者研究の2つについて研究を進めた。 ①ダウン症候群について文献検討を中心にケアの動向をまとめた。モデルケースとなるダウン症候群に関するデータベース構築にむけて、ケアの枠組みを考案し、その評価を行った。具体的な手順と結果を以下に述べる。まず、step1として,枠組みおよび看護領域を作成した。看護領域はヴァージニア・ヘンダーソンのニーズ論における枠組みをベースに作成した。国内外の既存の文献、資料から抽出したケアの具体例を枠組みに当てはめていった。看護領域は、【身体の発育と健康管理】など14領域に分けられ、220項目のケアの具体例を組み入れた。step2では、枠組みの作成手順の妥当性、ケアの抽出のために使用した資料の妥当性、各看護領域に含めたケアの具体例の内容妥当性について「専門職」または「家族」を対象とし、評価を依頼した。結果、おおむね高い評価を得ることができた。 ②マルファン症候群について、患者会を仲介として、聞き取り調査を行った。マルファン症候群患者11名の研究協力者から、疾患の診断と症状管理に至る経緯について聞き取り調査を行った。症状管理に至る経緯には、「マルファン症候群の症状の気づき」など、5つのテーマが見いだされた。また、マルファン症候群と診断され、症状管理にいたった体験は3つのパターンが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに、遺伝性疾患別のケアのデータベース構築の基礎となるコンテンツを、ダウン症候群をモデルケースとして、作成できた。
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今後の研究の推進方策 |
・初年度は、ダウン症候群は、ケアのコンテンツまでが完成した。 ・2年目では本疾患をモデルケースとして、ウエブ上でのデータ配信ドラフトの検討に入る。 ・3年目の最終年度は、保健医療従事者を対象とし、評価を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた英国遺伝看護師へのインタビューが、先方の都合で実現できなくなったため。 2020年11月にオンラインで開催予定のInternational Society of Nurses in Geneticsへの参加費として使用予定。
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