研究課題
本研究の目的は1.「美味しさ」を感じたときの生体反応を定量化し「刺激」を策定すること、2.「美味しさ」刺激と随意性嚥下機能の関連を検証することである。今年度は2.『「美味しさ」刺激と随意性嚥下機能の関連の検証』については、研究分担者と研究方法の実施に関して着手した。嚥下“運動機能”を可視化し客観的指標として用いることに着手したい.それは,「美味しさ」を感じたときの「飲み込み」は,「美味しさ」を感じないときの「飲み込み」とは違うのではないかという問いを検証するものである.喉頭隆起周囲に設置したマーカーを追尾することでの運動解析を行うことができるのではないかと考えた.本研究では健常者5名を対象とし,嗜好が関与する食品サンプルによる嚥下運動機能を喉頭隆起周囲の動きを情報工学的手法で解析し,嗜好と嚥下運動との関係を検討した.計測は甲状軟骨切痕や舌骨部といった喉頭中心部にマーキングをし,「美味しい(以下,D)」「不味い(以下,H)」のサンプルを嚥下した際の動画を縦方向(x)と横方向(y)の運動を解析したデータを使用した.解析は嚥下の開始時間(s)と加速度(㎜/s)で比較した.嚥下開始の時間(mean)はDが4.36s,Hが6.14s,加速度(mean)はDが2.724㎜/s,Hが4.63㎜/sであり,DはHより飲み込むタイミングと飲み込む速度に違いがみられた.今年度で本研究課題は最終年度であるが、「美味しさ」の刺激に対し、生体反応の変化がある可能性が見いだされた。その点においては基礎的調査のうえ、今後検証する上での基礎的データとなりうる。引き続き、本課題の検証を引き続き実施していく。
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BIO Clinica
巻: 36 ページ: 1301-1306
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