研究課題/領域番号 |
19K22751
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中村 裕之 金沢大学, 医学系, 教授 (30231476)
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研究分担者 |
辻口 博聖 金沢大学, 医学系, 特任助教 (00723090)
神林 康弘 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (20345630)
早川 和一 金沢大学, その他部局等, 名誉教授 (40115267)
吉崎 智一 金沢大学, 医学系, 教授 (70262582)
原 章規 金沢大学, 医学系, 准教授 (70507045)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 鼻茸 / 環境中化学物質 / 多環芳香族炭化水素 / 気管支喘息 / 疫学 |
研究実績の概要 |
鼻茸をはじめとする慢性副鼻腔炎は難治性であり、近年、急速に増加しており、喫緊の大きな医学的な問題である。鼻茸は遺伝性ではなく、遅い思春期以降の遅い時期に発症し、環境因子、特に環境中化学物質の関与を強く疑われているが、詳細はほとんど知られていない。本研究では、鼻茸においても成人型の気管支喘息症と同様に、大気中の化学物質との因果関係を示す疫学を実施し、鼻茸をはじめとする慢性副鼻腔炎の危険因子を大気中化学物質、特に多環芳香族炭化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbon, PAH)や重金属を中心に疫学的に調べ、新しい予防法を提示する。 金沢市および石川県志賀町における拠点病院・医院の鼻茸患者、鼻茸を有しない副鼻腔炎患者10人を含む咳喘息、アトピー性咳嗽あるいは気管支喘息患者40人をリクルートし、鼻症状、喉症状や咳をモニタリングした。この間の大気中の化学物質としてPAH(Fluoranthene (Frt)、Pyr (Pyrene)、Chrysene (Chr)、Benzo(b)fluoranthene (BbF)、Benzo(k)fluoranthene (BkF)、Benzo(a)pyrene (BaPAH)、重金属(カルシウム、カドミウムなど)、一般大気汚染(NO2やSO2など)を調べた。疫学情報は、家族歴、現病歴・現症、生活習慣(喫煙、飲酒、栄養、運動など)、治療歴、病態検査(アレルギー検査(RIST, RASTなど)とした。その結果、PAHと鼻茸の症状の間に相関が認められた。今後は対象数を増やし、気管支喘息症などの呼吸器疾患、アレルギー性疾患の合併の有無や個々のPAHごとにリスクを一般化推定方程式によって評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鼻茸患者、鼻茸を有しない副鼻腔炎患者10人を含む咳喘息、アトピー性咳嗽あるいは気管支喘息患者40人をリクルートし、症状をモニタリングし、同時にPAHなどの大気中の化学物質を測定し、そのリスクを推定できたことから、「おおむね順調に進展している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
鼻茸患者、鼻茸を有しない副鼻腔炎患者をさらにリクルートし、咳喘息、アトピー性咳嗽あるいは気管支喘息患者と併せて60人程度とすることによって、気管支喘息症などの呼吸器疾患、アレルギー性疾患の合併の有無や個々のPAHごとにリスクを一般化推定方程式によって評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ドイツDusseldorf大学(HHU)において2020年3月開催予定の国際シンポジウムが延期になったため、次年度開催を見越して、次年度使用とした。
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