研究課題/領域番号 |
19K22759
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岡山 雅信 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (10285801)
|
研究分担者 |
八幡 晋輔 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (00795768)
見坂 恒明 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (90437492)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 地域医療 / 意識形成 / 医学教育 / 多業種連携 / まちづくり |
研究実績の概要 |
地域創生の取り組み「健康増進のまちづくり」で展開される「まちづくり事業」と「加点式健診事業」の医学科生に対する地域志向性および地域医療マインド(地域医療への意欲・やり甲斐)への教育効果を明らかにすること目的に調査を実施した。 今年度は、これらを調査するための環境整備および事前調査を実施した。事前調査の方法について、健診終了直後、参加学生による振り返りのグループワークを行った。その際、学生個人と事業本体、およびよかった点と改善点の2×2のシートを用いて、各学生の意見を得た。振り返りの中で、学生個人のよかった点と改善点に関して、KJ法を用いて質的に分析を行った。結果について、参加学生41名(男14:女27)。医学科2名、保健学科2名、医療栄養学部20名、経済学部8名、他学部7名、大学院2名であった。「よいとこ健診」の経験を通した学生の学びとして、行動科学、高齢者特性、多業種連携といった大カテゴリにまとめられた。特に、多業種連携においては、プランニング:「担当する測定の目的などもっと勉強できたはず」やリーダーシップ:「手持ち無沙汰な人が多かったので, 出来る 範囲である程度指示して仕事を効率化した」、コミュニケーション:「老人会の輪投げに参加したり, 世間話にまず 参加し, 楽しさや信頼を得てからその流れで よいとこ健診に促し, 参加人数を増やした」、マネジメント:「他の部署の仕事を手伝ったが, その部署の 担当を押しのけてしまう場面が多かった. 協調性をもって臨みたい 」といった中カテゴリにまとめられた。結論として、「よいとこ健診」への参加を通して、学生は協働に不可欠な能力を、包括的に修得している可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域自治会の理解が得られ、学生と住民との打ち合わせ会の定期的開催が実現し、甲南女子大学栄養科、神戸大学経営学科などの他学部学生との神戸大学医学科生徒の学生によるよいとこ健診実施に向けたコアメンバーグループが構築された。事前調査結果の検討を踏まえて、調査体制が整備された。ただし、年度末から、COVID-19の影響の影響のため、学生と住民との打合会の実施およびよいとこ健診事業の延期が決まったことから、今後については不透明なところがある。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)-1 まちづくり事業参加の医学科生の地域及び地域医療に係る意識への影響、および(1)-2 非医療系学生との協働作業の医学科生への影響については、調査の目処が立ったことから、半構造化面接を実施する。また、(2) 良い所を褒める行為(ポジティブフィードバック)の医学科生への影響について、構造化面接等の質問票の作成等を進め、半構造化面接を実施する。さらに、複数回参加した場合は、研究対象者識別番号での連結による経時変化を追跡する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、一部調査が延期されたため。
|