研究課題/領域番号 |
19K22760
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
木澤 義之 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (80289181)
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研究分担者 |
森田 達也 聖隷クリストファー大学, 看護学研究科, 臨床教授 (70513000)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 予後予測 / がん |
研究実績の概要 |
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は実施されれば効果があることがわかっているが、問題なのは、「ACPを始めるきっかけがない」ことである。医師がACPをはじめるきっかけとして、サプライズクエスチョン(医師が「患者が1年以内に死亡したら驚くか」を自問自答し、「驚かない」こと)をきっかけにして患者にアプローチすることが推奨されているが精度が低い。申請者は、血液検査とバイタルサインという客観的な指標のみを組み合わせた予後予測モデルを開発し、臨床兆候を用いた従来の方法を上回る予測精度が得られることを示した(Hamano J, Mori ta T. Eur J Cancer 2018)。本研究の目的は、医師がACPの話し合いを始めるきっかけとして、客観的指標のみを用いた精度の高い予後予測を提示することが有効かを検証することである。
2019年度は、使用する予後予測モデルの再検証を行い、研究計画を立案した。予後予測モデルの再検証については、京都大学の癌化学療法中のがん患者、ならびに筑波大学附属病院のがん登録患者において、客観的な指標のみを組み合わせた予後予測モデルの予測精度を再検討するために、患者データを取得し現在解析の準備中である。また、介入研究については、まず少数での予備的研究を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行によって新たな介入研究の実施ならびに患者登録が困難な状況になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究実施施設において、研究の実施性を検証するためにまず少数での予備的研究を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行によって、患者家族との接触が制限されたこと、家族の面会が難しくなっったこと、Personal Protective Equipmentの節約などのために新たな介入研究の実施ならびに患者登録が困難な状況になったため、2019年3月以降研究が滞っている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症が収束し、患者・家族への面談やACPの話し合いが円滑に行えるようになれば、予備的研究を行って、研究の実施性を確認した後に、予後予測モデルの再検討・修正を行い、介入研究を実施する予定である。 介入研究が実施できない間は、前述した京都大学、筑波大学から得られたがん患者のデータをもとに予測モデルの再検討と改善を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施施設において、研究の実施性を検証するためにまず少数での予備的研究を予定していたが、新型コロナウイルス感染症の流行によって、患者家族との接触が制限されたこと、家族の面会が難しくなっったこと、Personal Protective Equipmentの節約などのために新たな介入研究の実施ならびに患者登録が困難な状況になったため、2019年3月以降研究が滞ったため。 また、研究会議は費用の節約のために、Web会議で実施したため、旅費を大幅に節減することができた。これらの費用はらい編度以降の介入研究の人件費等に充当する予定である。
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