研究課題/領域番号 |
19K22766
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
蔦島 譲治 宮崎大学, 医学部, 研究員 (20771257)
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研究分担者 |
高宮 考悟 宮崎大学, 医学部, 教授 (40283767)
内田 琢 宮崎大学, 医学部, 助教 (60464137)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 恐怖記憶 / 遺伝 / 児童虐待 |
研究成果の概要 |
遺伝とは親から子へ形質が連綿と受け継がれていく現象であり、生物の基本的な性質の一つである。驚くことに、これまでの予備実験では音と電気刺激により恐怖条件づけした親マウスを交配させ、誕生した仔マウスに音を聞かせると恐怖反応 (freezing) を示した。すなわち親の「恐怖記憶」が仔に遺伝したことを示唆する結果を得た。本研究では両親が音-電気刺激を受けた仔はFreezingを起こし、さらにFreezingと仔の性別に有意な関係性があることが確認された。これらから親マウスに恐怖記憶が植え付けられ、その仔にその記憶が伝達されることが示唆された。特にメスの仔マウスに有意に恐怖記憶が現れた。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は親世代に学習した記憶、特に恐怖記憶がどのような機構を介し子の世代に受け継がれるかを、マウスを使用した実験を通して明らかにすることを目的とする。さらに、そのメカニズムを解明することで新しい遺伝の形式を分子レベルで証明する。本研究は最も遺伝しやすいと考えられる恐怖記憶を特に選び研究する。 子に伝わる恐怖記憶は必ずしも良いものとは限らず、トラウマや心的外傷後ストレス障害など マイナスとなるような記憶は排除されることが望まれる。本研究により恐怖記憶の遺伝メカニズムが解明されることで、不必要な遺伝などを取り除いたりすることが可能になるかもしれない。
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