研究課題/領域番号 |
19K22779
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
土肥 謙二 昭和大学, 医学部, 教授 (20301509)
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研究分担者 |
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40437869)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 熱中症 / 環境因子 / 脳機能 / 動物モデル |
研究実績の概要 |
労働やスポーツなどの日常生活で発生する熱中症の大部分は軽度から中等度である。近年、スポーツ活動や労働環境においては熱中症の対策は必須となってきている。一方、具体的には屋外での活動を完全に制限することは困難であり、対処法も水分と電解質の補充と休息以外にはないのが現状である。本研究では軽度から中等度熱中症の身体活動や脳神経機能への影響と病態について検討し、さらに腸内フローラや水素水飲水の効果といった発症予防や治療として家庭や学校などのスポーツ活動の現場、労働活動の現場などで可能な新規の予防法や治療法の開発を行っている。現在はサイトカインに強く影響するPACAP KOマウスを用いて熱中症後の組織障害に影響するのかについて生化学的および組織学により評価を行っており、令和3年度中の投稿を目指して準備している。また、熱中症後14日間、マウスは血算やヘマトクリットを測定し、血清をNa、K、Clなど電解質、腎機能および肝機能マーカーを生化学的に測定し、組織(脳、肺、肝、腎、腸管)における形態学的検討を行った。この結果についてはJ Intensive Care. 2021; 9: 35.に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は新型コロナ感染症の影響で当初研究が遅れていたが動物実験に関してはおおむね予定通りに進行している。しかし、水素水を用いた研究では当初予測された結果が出ずに現在再検討を行っている。臨床研究に関しては新型コロナウィルス感染症の影響で発熱患者の診療に大きく影響しているのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に研究の遂行には問題ないと考えている。しかし、昨年同様に2022年もCOVID-19の影響が大きく臨床研究を中心に今後の研究の遅延も考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来行う予定であった研究がCOVID-19の影響で遂行できなかったことによる。収束次第研究を再開予定である。さらに国際学会や国内学会が中止等になった影響で主に旅費の使用が減じたことによる。 次年度は動物実験の推進と臨床研究の再開により物品費用、分析にかかわる経費が見込まれる。さらに国際学会への渡航が許可されれば国内外の学会への参加と研究成果公表をを予定しており旅費の計上も考えている。
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