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2022 年度 実績報告書

単純ヘルペスウイルス感染症の回帰発症予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K22780
研究機関日本獣医生命科学大学

研究代表者

高野 貴士  日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (20462781)

研究分担者 安井 文彦  公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, プロジェクトリーダー (40399473)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2023-03-31
キーワード単純ヘルペスウイルス / 再活性化 / 宿主因子
研究実績の概要

単純ヘルペスウイルス(HSV)は、初感染後に人の神経節に潜伏感染する。潜伏したHSVは再活性化に伴い脳炎や口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、全身性の新生児ヘルペスウイルスなど種々の疾患を引き起こす。世界保健機構の推計によれば、世界人口の半数以上が潜伏感染状態のHSVを有するキャリアとなっており、全人口の半数が感染者となる感染症は他に例が無い。現行の抗ヘルペスウイルス薬はウイルス複製を阻害する為、複製していない潜伏感染状態のHSVを排除できず、HSVの再活性化を予防する手段が無い。我々は宿主因子がHSVゲノムに直接相互作用し、潜伏感染時に唯一合成されるウイルス因子LATの発現量を低下させる事が「再活性化の引き金」となる可能性を見出した。本研究では、見出した宿主因子との結合部位に変異を導入したdecoy LATを外来的に発現させることで再活性化を阻害し、潜伏感染を持続させることで再活性化を抑制出来るか検証する。これにより、既存の薬剤では不可能であった、活性化阻害による発症予防法の確立を目指す。
本研究において、宿主因子が結合するLAT領域の同定した。これより、宿主因子結合領域を欠失させたLAT(decoy LAT)発現プラスミドを作製し、培養細胞にdecoy LATを発現させて宿主因子との共存下でのLAT発現状況を検討した。decoy LAT発現プラスミドから発現したdecoy LATおよびそれから派生するマイクロRNAの発現量は、宿主因子存在下でも一定量の発現が持続する事を確認した。この事より、decoy LATは宿主因子による影響を受けず、安定的にLATを発現して潜伏感染持続、再活性化予防を助長する可能性が示された。

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公開日: 2023-12-25  

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