研究課題
高齢者に多く発症するパーキンソン病の代表的な症状には、すくみ足や小刻み歩行といった歩行障害が挙げられ、転倒リスクを増加させることがわかっている。すくみ足や小刻み歩行は、聴覚や視覚によるリズム刺激で改善するが、手指の運動でも改善する可能性がある。本研究の目的は、歩行をイメージしながら手指(示指と中指)でリズムを取る「指リズム歩行」を評価・トレーニングに応用し、その効果を検証することである。本年度は、歩行能力の改善や転倒予防に効果的な指リズム歩行トレーニングの開発を目指し、介入研究を実施した。介入の内容は、専用のトレーニングキットを作成し、立位歩行をイメージしながら、回転盤の上を曲(365歩のマーチ:2分57秒×2回)に合わせて、指リズム歩行を1日朝夕2回、12週間実施した。また、足趾把持力機能を高めるシューズについて、指リズム歩行トレーニングと同期間使用することで、バランスや歩行機能の改善を目指したトレーニングを実施した。本年度は、国内雑誌(ヘルスプロモーション理学療法研究)に論文を1編掲載し、「Effects of long-term use of insoles with a toe-grip bar on the balance and walking functions in Parkinson’s disease patients: a randomized controlled trial」と「Effect of finger rhythmic movement training on freezing of gait and EEG activity in Parkinson's disease patients」の2つのタイトルの論文を国際誌に投稿した。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
ヘルスプロモーション理学療法研究
巻: 11 ページ: 1-5
10.9759/hppt.11.1