研究課題/領域番号 |
19K22785
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研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
中園 栄里 福岡医療短期大学, 保健福祉学科, 講師 (10343732)
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研究分担者 |
末松 美保子 福岡医療短期大学, 保健福祉学科, 教授 (00413641)
力丸 哲也 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 教授 (10299589)
貴島 聡子 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 講師 (10442419)
大倉 義文 福岡大学, 医学部, 教授 (80352293)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 骨強度 / ビタミンB群 / 口腔機能 / 栄養調査 |
研究実績の概要 |
高齢者の骨粗鬆症性骨折のリスクとなる骨質低下を制御するビタミンB群の摂取状況と口腔機能、骨強度との関連を明らかにし、骨質低下を抑制するビタミンB群摂取目標量の有効性を検討した。 対象者は2018年測定者のうち2019年に追跡できた65歳以上の33名(男性10名、女性23名)から、骨粗鬆症薬服用3名を除いた30名とした。骨強度測定は、超音波骨密度測定装置AOS-100SAを用いて音響的骨評価値(OSI)で評価し、2019年と2018年のOSI変化率(%)を算出した。OSI変化率-2.0%以上を骨強度減少群(n=11:男性5名、女性6名)、-1.9~2.0%を骨強度維持群(n=9:男性2名、女性7名)、+2.0%以上を骨強度増加群(n=10:男性3名、女性7名)とした。食事摂取頻度調査は(株)教育ソフトウエア アウトソーシング版を用いた。解析は、SPSS ver.25を用いた。有意水準(p<0.05)を有意と判定した。 各群の男女比率の有意差はなかった。また、各群の身長、体重、BMI栄養素摂取状況、食品群別摂取量に差はなかった。骨強度に関連するカルシウム、ビタミンD、K、B6、B12、葉酸ときのこ類、野菜類、魚介類、肉類、卵類、乳類の摂取量を3分位(lowest, middle, highest groups)し、骨強度の変化の関連を順序ロジスティック回帰分析で検討したところ、ビタミンB12摂取が多い (middle, highest groups)ほど骨強度を維持することが示唆された。また、口腔機能(特に口唇、舌)の巧緻性および速度を評価するオーラルディアドコキネシスの回数が低い(6回/秒)未満者は、野菜類と肉類の摂取量が少ないことが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域在住高齢者を対象に骨強度や口腔機能に関する測定会を2018年度より年1回行っているため、対象者の追跡が可能になっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、対象者を増加する方針である。そのために、高齢者施設、地域の老人会やシルバー派遣センターに測定会のお知らせのチラシを配布する予定である。 今年度の高齢者を対象とした測定を9月以降に行う予定である。しかし、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、新型コロナウイルス感染症予防対策を行いつつ12月以降の測定も考えている。また、測定の際の対策として、対象者は2~3名で測定する。測定後は、器具の消毒・換気を行う。測定期間は3ヶ月間で行い、対象者の人数を確保する予定である。 また今年度は、骨質低下を制御するビタミンB12 を5μg/day以上の摂取するパイロット研究3ヶ月間行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究課題が採択時には、2019年度の測定が終了し、消耗品等の購入済みであったため、予算をあまり使用しなかった。今年度に行う測定用の物品費の購入と測定機器の変動係数を測定するため、多めに消耗品を購入する予定である。
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