研究課題/領域番号 |
19K22787
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
中村 伸吾 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 医療工学研究部門, 講師 (00505323)
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研究分担者 |
佐藤 正宏 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (30287099)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 金属ナノ粒子 / 光照射 / 殺菌効果 / 化学物質分解効果 |
研究実績の概要 |
銀には殺菌活性等のあることが古くから知られており、その安全性は比較的高く、また、耐性菌を出現させることも少ないとされている。これらに加えて、近年の研究では、非常に小さな粒径の銀ナノ粒子はウイルスの宿主に対する吸着を物理的に阻害することでウイルス自身の増殖を抑制するため、結果的にウイルスを不活化できるとする報告もある。銀ナノ粒子の作製方法は幾つもの方法が報告されており、我々もまた、出発材料を混合して高圧蒸気滅菌処理するという簡便な銀ナノ粒子作製法を報告している。本方法の大きな特徴は、均一な粒径の銀ナノ粒子を効率よく作り出せる点である。特に、ウイルスに効果を持つとされる大きさが数ナノメートルの銀ナノ粒子も簡単に作り出すことが出来ている。そして、本方法で作り出された銀ナノ粒子は微生物殺菌効果等を有することも確認している。本研究では、この銀ナノ粒子の微生物殺菌効果等をさらに高めるための方策を検討すること、そして、その方法を使用して、微生物等に対する除菌・無毒化効果等を有している機能的医療用防護素材を作り出すことを目指している。そのために、特に、銀ナノ粒子とラジカル種との関係に着目をした実験を進めることとしている。 本年度は、銀ナノ粒子等の金属ナノ粒子を使用した検討に加え、独自調製の貝殻由来酸化カルシウムによる化学物質分解効果や微生物殺菌効果などの検討を行った。また、貝殻由来酸化カルシウムのラジカル発生系の構築を目指した。貝殻由来酸化カルシウムは海洋バイオマス資源由来であることからSDGsとの関係性にも期待が持てる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により研究従事者の出勤状況に変更が生じたため、実験にやや遅れが発生した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書にしたがって実験を進めるにあたり、エフォートを割いて遅れの回復に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、学会発表等を前提とした旅費に残が出た。加えて、実験担当者並びに研究補助者の出勤が不規則になって研究進捗に遅れが生じたため次年度使用額が発生した。次年度は研究補助者の雇用が増える予定なので、残額並びに研究の遅れ等は解消される見込みである。
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