研究課題/領域番号 |
19K22791
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研究機関 | 北翔大学 |
研究代表者 |
高田 真吾 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (60722329)
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研究分担者 |
植田 幸嗣 公益財団法人がん研究会, がんプレシジョン医療研究センター がんオーダーメイド医療開発プロジェクト, プロジェクトリーダー (10509110)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 心不全 / Cardiokine / 骨格筋異常 / ミトコンドリア / 分泌因子 / サルコペニア / フレイル / 運動能力 |
研究実績の概要 |
心筋梗塞後の不全心筋は、心筋細胞肥大・細胞死や間質線維化からなる構造・機能の変化を引き起こす。それらに伴い、骨格筋の形態的・機能的異常が生じる(Cardiovasc Res 2016; Circulation 2018; Front Cardiovasc Med 2020; Circ Heart Fail 2021; Cardiovasc Res 2021; Am J Physiol Heart Circ Physiol 2022)。 これらの原因として、正常な左室心筋細胞の減少が心筋由来ホルモン(心筋由来因子;cardiokine)の分泌減少もしくは増悪因子の分泌増加を招来し、骨格筋異常を引き起こすと仮説を立てた。実際、2匹のマウスを結合し,循環血液を共有させる実験手法(パラビオーシス)により、循環血液中に加齢により心肥大・心筋機能の低下を改善するホルモンの存在が確認された(Cell 2013)。一方で、正常マウスに心筋梗塞後心不全マウスの心筋を移植することで、循環血液中にがん細胞の増殖を促進する因子があることが報告されたことからも(Circulation 2018)、cardiokineの分泌が示唆される。また、我々の事前実験では、血液中にミトコンドリア生合成シグナルを活性化することタンパクが含まれていることを明らかにした。今後、心不全における骨格筋の発症・進展機序に関与するcardiokineを同定、機能を解明することを目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究室の異動・整備や新機器がそろい始め、分泌制御機構についての研究に取り組めている。
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今後の研究の推進方策 |
心不全によって減少するcardiokineを同定し、骨格筋異常における役割を解明する。下記のサンプルに分泌された共通のcardiokineを同定する(銀染色/質量分析、WB)。1)左冠動脈結紮による心筋梗塞後の心不全マウスおよび偽手術マウスの血液(in vivo)。2)心不全マウスおよび対照マウスにおける心筋をランゲンドルフにより潅流し、抽出したメディウム(ex vivo)。3)胎児ラット心筋培養細胞の随意拍動および電気刺激後のメディウム(in vitro)。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス蔓延のため、研究活動が止まってしまったため、次年度使用額が生じた。2022年中に、遅延した研究計画を進める予定である。
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