研究課題/領域番号 |
19K22793
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅原 明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90270834)
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研究分担者 |
横山 敦 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20572332)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | 脂肪細胞 / アルドステロン / 質量分析 / VIKING法 / 高血圧 / CYP11B2 |
研究実績の概要 |
肥満・メタボリック症候群においては高頻度に高血圧を発症する。その原因として、脂肪細胞由来の未知昇圧因子が副腎に直接作用し、レニン‐アンジオテンシン系とは独立してアルドステロン産生を促進することが推定されているが、同因子は未だ同定されていない。本研究では、生化学的な手法とゲノム編集技術を組み合わせた新たなアプローチにより、この脂肪細胞由来昇圧因子の同定を行い、肥満高血圧の発症メカニズムを解明することを目的とする。まず我々はマウス線維芽細胞由来3T3-L1細胞を脂肪細胞に分化させ、分化脂肪細胞の培養上清を取得した。スクリーニングは、ヒト副腎癌由来H295R細胞に取得培養上清を添加した際のCYP11B2転写活性・mRNA発現量測定にて施行した。CYP11B2発現誘導活性は、同培養上清の熱処理にて失活した。取得した上清を用いて分子量による分画を行ったところ、分子量50~100kDa画分にCYP11B2発現誘導能を見出した。そこで、100kDa以下の画分中に含まれている候補因子をLC-MS/MS法により解析したところ、シグナルペプチドを有する12種類の因子が同定された。なお、培養上清中にはアンジオテンシンIIは認められなかった。現在、これらの因子のcDNAをHEK293T細胞に過剰発現し、得られた上清のCYP11B2発現誘導活性の検討を行っている。今後は、VIKING法を用いたゲノム編集アプローチとマウス病態モデルを用いたin vivo解析を用いて、12因子中から脂肪細胞由来の昇圧因子の同定を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画は1)生化学的なアプローチ、2)ゲノム編集を用いたアプローチ、3)マウス病態モデルを用いたin vivo解析、の3ステップから構成されている。本年度では1)の生化学的アプローチが終了したため、おおむね順調に進展していると考えられた。今後、2)3)の遂行に向けて研究を更に進めて行く予定である。
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今後の研究の推進方策 |
新たに開発されたゲノム編集技術であるVIKING法を用いて、これまでに同定された12種類の因子それぞれの遺伝子をノックアウトしたノックアウト細胞ライブラリーを作製する。このノックアウト細胞ライブラリーのそれぞれの細胞の培養上清の活性を評価することで、昇圧責任因子を特定する。特定された昇圧責任因子をノックアウトした脂肪細胞と、野生型の脂肪細胞をそれぞれヌードマウスに移植し血圧上昇を評価することで、脂肪細胞由来の昇圧因子を同定する。
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