研究実績の概要 |
経口摂取したロスマリン酸(RA)の体内分布を明らかにするために必要な検出感度の高い LC-MS/MSメソッドを立ち上げた。RAは体内で代謝を受け、caffeic acid、3,4-dihydroxycinnamic acid, ferulic acid, m-hydroxycinnamic acid、m-hydroxyphenylpropionic acid、メチル化RA(RAメチル)が生成することが報告されている。従って、1回の分析でRAおよび代謝物6成分が同時に定量できる分析メソッドを構築した。構築した分析メソッドを用いて、C57BL/6JにRAあるいはRAメチルを単回投与した後の各臓器中の7成分を定量した。すでに血漿、脳、および腸管サンプルの定量を終えた。定量結果からRAとRAメチルは、体内での代謝および体内分布が異なることが示唆された。 腸管におけるRAの局在性については、RA投与後の腸管切片を作製し、イメージング質量分析により検出した。今年度はイメージング質量分析における、イオン化マトリックスの検討を含めた分析系の確立を行い、実際の腸管サンプルの解析を実施した。
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