研究実績の概要 |
神経筋接合部(NMJ)信号伝達障害は、サルコペニアと廃用性筋萎縮を含む筋萎縮病態の一次的な原因である可能性が近年指摘されている。サルコペニアモデルマウスの脊髄運動神経細胞(SMN)とNMJ筋終板において、細胞特異的なリボゾームタンパクRPL22へのHAタグの付加を可能にするRiboTagマウスを用いた網羅的遺伝子発現プロファイリング解析を行い、サルコペニアにより発現が変動するSMN分子・筋終板分子を同定することを目的とした。 細胞特異的なリボゾームタンパクRPL22へのHAタグの付加を可能にするRiboTagマウスを用いたNMJ筋終板の網羅的な遺伝子発現プロファイリング解析を行い、従来神経筋接合部における役割が知られてこなかったphosphatidylinositol signaling systemとextracellular matrix receptor interactionが高く発現することを明らかにした。さらにこれらの経路のサブセット解析によりdiacylglycerol kinases, phosphatidylinositol kinases, phospholipases, integrins, lamininsがNMJ筋終板で高く発現することを明らかにした。サルコペニアにおけるSMNとNMJ筋終板の網羅的な遺伝子発現解析を目的として、サルコペニアモデルマウスとRiboTagマウスのかけ合わせたマウスの脊髄と骨格筋のRNA-seq解析を引き続き行なっている。
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