研究課題/領域番号 |
19K22806
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
江川 達郎 京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (00722331)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | カルボニル / 糖化 / 老化 / サルコペニア / グリオキサラーゼ |
研究実績の概要 |
ヒト骨格筋では加齢に伴い、次第にカルボニル化合物の蓄積が進んでいき、これが加齢に伴う筋量や筋力の低下につながっている可能性が示唆されている。申請者は、カルボニルストレス解毒システムが植物のように十分に機能していれば、加齢に伴う骨格筋量や機能低下を防ぐことができるのではないかと仮説を立てている。本研究では、カルボニルストレス解毒システム(glyoxalase system)をターゲットとして骨格筋老化抑制が可能であるか検証することを目的とする。まず本年度は、若齢および高齢マウスを用いて、骨格筋のglyoxalase I発現と活性を調べ、加齢に伴って骨格筋のglyoxalase systemがどのように変化するのか解析した。方法としては、若齢(3か月齢)および老齢(24か月齢)のC57BL/6Jマウスから骨格筋(ヒラメ筋、足底筋、腓腹筋、前脛骨筋、長指伸筋)を摘出するとともに血液を採取し、それぞれのサンプル中のglyoxalase1 活性および発現を測定した。結果、老齢群のヒラメ筋および血中のglyoxalase1活性が若齢群と比べて有意に低下していた。また老齢群のヒラメ筋中のglyoxalase1タンパク質発現についても若齢群と比べて有意に低下していた。この結果は、加齢に伴い骨格筋内のカルボニル解毒システム(glyoxalase system)の機能が低下していることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り老齢マウスと若齢マウスにおけるglyoxalase1の活性および発現を解析し、加齢に伴いカルボニル解毒システム(glyoxalase system)の機能が低下していることを見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
カルボニル解毒システム(glyoxalase system)の機能が低下していることが明らかになったことから、この機能低下が骨格筋老化に関与するか検討を進める。具体的には、glyoxalase1の誘導剤を老化マウスに投与し、骨格筋老化を防ぐことができるか検証する。
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