研究課題/領域番号 |
19K22807
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
七五三木 聡 大阪大学, 全学教育推進機構, 教授 (20271033)
|
研究分担者 |
荻野 正樹 関西大学, 総合情報学部, 教授 (00397639)
青山 千紗 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80823939)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
|
キーワード | 機械学習モデル |
研究実績の概要 |
本年度は、卓球のような連続視覚運動ではなく、離散的視覚運動として単発で身体運動が完結する野球の打撃をモデルとして実験を行った。VR-HMDを使用して、VR 野球ボール選球タスクを構築した。実験参加者はHMDを装着し、VR空間に再現された実物大の野球場のバッターボックスで打撃姿勢を取り、投球がストライクになると判断したときに、リモコンのボタンを押した。仮想ピッチャーがボールを投じた時刻を0として、10フレーム(111ms)、20フレーム(222ms)、30フレーム(333ms)、40フレーム(444ms)までのボールの3次元座標時系列データをもとに機械学習モデルを訓練し、ニューラルネットワークを利用した識別のための機械学習モデルを生成した。ボールの3次元座標データからストライクあるいはボールになるのかを予測するよう識別機械学習モデルを訓練すると、10、20、30フレームで77%、94%、94%の識別精度となった。次に、ボールの3次元座標データのみから、打者がクリックするかしないかを推定するようにモデルを訓練すると、10、20、30、40フレームで78%、80%、80%、80%の識別精度となった。そこで、打者の頭部運動や視線のベクトル情報を加えて推定するようにモデルを訓練したが、10、20、30、40フレームで72%、82%、81%、82%の識別精度となり、改善効果は数パーセントであった。最後に、ボールの3次元座標データのみから、打者が正しい判断するか、しないかを推定するようにモデルを訓練すると、10、20、30、40フレームで71%、73 %、75%、71%の識別精度となった。そのため、ボールの3次元座標データのみから打者の選球の成否をモデルが学習することは困難であることがわかった。打者の頭部運動や視線のベクトル情報を加えて訓練したが顕著な改善効果は得られなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナにより卓球競技歴の長い実験参加者を募集することが困難であったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度の離散的視覚運動で得られた結果をもとに、次年度は卓球のような連続視覚運動で機械学習モデルを生成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナのために卓球競技歴の長い実験参加者を集めることができなかったため、実験が予定通り行えなかった。
|