卓球スキルを研究モデルとして選び、“アスリート毎にスキル計測と計測結果の分析、分析結果に基づく弱点やくせの検出、それらを修正するための練習・訓練メニューの提供と効果の検証”までの全プロセスをAIが行う“テーラーメイド型指導者フリー・運動スキル計測・改善システム”を開発し、その効果を検証することが本研究の目的である。本年度は、現実の卓球場面を仮想現実(VR) で再現し、運動スキル計測・改善システムの構築を行った。VRが生成する卓球ボールの軌道が、現実と同じ軌道になるように、AIを用いてマグヌス効果、空気抵抗、反発係数、摩擦係数を決定した。AIとしては、ハイパーパラメータ自動最適化ツール「Optuna」を用いた。これにより、機械学習の過学習やローカルミニマム、発散などを防ぐようにパーパラメータを最適化し、現実場面と同じボール軌道の生成に成功し、これを用いた連続視覚運動課題を構築した。また、当該課題を卓球選手に実施し、苦手ボールの抽出を行ったところ、顕著な個人差が観察された。
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