研究課題/領域番号 |
19K22819
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員准教授 (10393175)
|
研究分担者 |
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 特任助教 (20722888)
棗 寿喜 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 特任助教 (90761841)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
キーワード | 筋萎縮 / 横隔膜 / ミトコンドリア / 機械的人工換気 / 硫化物 |
研究実績の概要 |
初年度計画である「課題①硫化物による横隔膜保護効果に関わる標的因子の探索」に着手した.本研究で実施する人工換気実験およびミトコンドリア酸素摂取量・活性酸素産生量測定は,熟練を要するとともに,横隔膜サンプルの鮮度が重要となるため,実験協力者の連携が重要となる.そのため,まずはじめに実験協力者らと予備実験を行い,横隔膜ミトコンドリアの単離,ミトコンドリア酸素摂取量測定および活性酸素測定技術の習得を行った.それと同時に,海外研究協力者からの情報を元に本研究のためのミトコンドリア機能解析装置(OROBOROS O2k)測定プロトコルの検討を行い,手順書を作成した. 一方,先行研究を鑑みると,これまで我々が行ってきた人工換気モードをボリュームコントロールからプレッシャーコントロールへと変更するべきであるとの結論に達した.ボリュームコントロールでは,吸気に通常大気を用いて換気量の調節を行うことで血中の酸素及び二酸化炭素濃度を制御するが,プレッシャーコントロールでは状況に応じ21~26%の範囲で酸素濃度を調節して人工換気を行う必要がある.そのためにはガス混合器が必要となるが,ラットの換気量に対応したガス混合器は高価であるため,検討の結果自作することとした.これら人工換気システム変更のための部品等必要品を発注し,新システムで12時間の人工換気実験を行うための基礎実験の準備を整えた段階で,新型コロナウイルス感染症拡大防止のため研究施設への立ち入りが制限され,研究は一時的に中断中となっている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画には含まれていなかった人工換気システムの見直しを行うこととなったものの,全体的には予定通り研究が進んでいた.しかしながら,新型コロナウイルス感染症の拡大により研究施設への立ち入りが制限され研究が中断されており,現段階において研究再開の目処が立っていない.
|
今後の研究の推進方策 |
本実験は5名程度の協力者が必要であるため,大学院生等の協力が必須である.研究施設の立ち入り制限がどの程度継続されるかを見極める必要がある. 人工換気実験およびミトコンドリア機能解析には熟練を要するため,研究再開が可能となった段階で予備実験を行い,手順を再確認するとともに技術力の回復を図る.また,人工換気システム変更のための部品等はいつでも納品可能な状態となっており,速やかに基礎実験に着手する準備は整っている.
|
次年度使用額が生じた理由 |
謝金の支払額が予定よりも減少したのが主な理由である.なお謝金の余剰分は,使用している電気刺激装置の故障に伴う購入費および予備実験費に充てた. 研究の中断が予想され試薬等の購入を見送ったことにより次年度使用額が生じたが,購入した試薬のうち使用期限が短いものは再購入せざるを得ないため,次年度使用額はそれらの費用に充てる.
|