研究課題/領域番号 |
19K22819
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
関根 紀子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員教授 (10393175)
|
研究分担者 |
吉原 利典 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20722888)
棗 寿喜 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 非常勤助教 (90761841)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
キーワード | 筋萎縮 / 横隔膜 / ミトコンドリア / 硫化物 / 機械的人工換気 |
研究成果の概要 |
主な呼吸筋である横隔膜は,人工呼吸器の装着などにより自発的な収縮を軽減すると,短時間に著しく萎縮し機能不全を呈する.本研究は,ミトコンドリアの硫黄呼吸経路に着目し,硫化物による横隔膜機能不全の予防メカニズムを明らかにすることを目的とした.ラット横隔膜萎縮実験モデルを用い,人工換気前のラットに硫化物を単回投与した.その結果,硫化物の投与は横隔膜の萎縮と機能不全を強力に予防することを確認した.また,これら予防効果にはミトコンドリアComplexIおよびIIが関わっており,硫化物の投与により活性酸素種の産生が抑制されることが関与していることが示唆された.
|
自由記述の分野 |
運動生理学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,近年報告されたミトコンドリアの硫黄吸経路が横隔膜機能不全の予防に関与すると仮説し,検証を試みたものである.心血管系に対する硫化物投与の効果については研究が進められているが,骨格筋を対象としたものは少なく,中でも横隔膜について取り上げ報告したのは本研究が初めてである.生体内で硫化物がミトコンドリア機能を保護するという新たな知見を提供したことは学術的に意義があると考える. 本研究の成果は,横隔膜の機能および人工呼吸器からの離脱不全の予防に貢献するのみならず,四肢骨格筋の廃用性萎縮や加齢性萎縮(サルコペニア)に対する新たな予防用や治療法の開発に繋がる可能性を持っている.
|