研究課題/領域番号 |
19K22828
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
家光 素行 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (90375460)
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研究分担者 |
長谷川 夏輝 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 研究員 (00822850)
真田 樹義 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50421227)
橋本 健志 立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 (70511608)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 加齢 / マイオカイン / 運動 / 筋質 |
研究実績の概要 |
本研究は,ヒトおよび動物実験を用いて,加齢や運動に伴う筋量(筋横断面積および筋線維数)の変化だけでなく,筋細胞外脂肪細胞数および線維芽細胞数の変化といった骨格筋の質的な変化を反映する血液バイオマーカーを探索することを目的としている。今年度は,ヒト試験において,60-80歳の高齢女性40名を対象とし,コントロール群(CON群)20名,レジスタンス運動群(RT群:70%1RM,10回×3セット,週3日,12週間)20名の2つの群にランダムに分割したトレーニング介入後の血液解析を実施した。トレーニングにより大腿四頭筋の筋厚や筋横断面積が増大し,超音波法による筋輝度(筋組織外の脂肪・線維面積)やMRI法による骨格筋内脂肪・線維面積(IMAT)は有意に改善しており、これらの筋質改善に関わるホルモン・ペプチドを探索した。筋の線維化に関わる物質として同定されたC1qの血中レベルがトレーニングにより有意に低値を示した(p<0.05)が,線維化に関わるTGFbeta1や筋肥大に関わるIGF-1の血中レベルには有意な差が認められなかった。加えて,血中C1qレベルと筋輝度との相関が認められたことから,筋質のバイオマーカーとなりうるかもしれない。今後,筋の脂肪化に関わる血液バイオマーカーを探索しつつ,動物実験において,SAMP1の老齢モデルを用いた運動トレーニング介入が完了しており,次年度以降骨格筋を用いて、筋質に関わるバイオマーカー候補の作用機序や運動への影響などさらなる検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では動物実験とヒト試験の両方を実施するが,老齢化モデルマウスによる運動トレーニング介入が完了したため,次年度以降,動物検体を用いた筋質に関わる分子機序解明およびヒト試験のさらなる血液解析を行う予定であるため,順調に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
動物実験において,老齢化モデルマウスの運動トレーニング介入が完了し,今後,骨格筋の解析を実施する。動物実験では,ヒト試験において得られた血液バイオマーカー候補の骨格筋に対する作用機序や運動による影響を中心に解析する予定である。また,ヒト試験のさらなる血液解析の結果により,動物実験にて詳細解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により、これまでの研究成果を発表する予定であった学会発表などで計上していた旅費の執行ができなかったため、次年度はWebなどを用いた学会が継続されることからそれを踏まえて研究を遂行する予定である。
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