研究課題/領域番号 |
19K22832
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
矢野 博己 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20248272)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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キーワード | 腸内フローラ / アスリート / FFQ / 便移植 |
研究実績の概要 |
日本人の運動パフォーマンスに影響をもたらす腸内フローラを解明することを目的とする研究を企画した。倫理委員会の承認を得た後、被験者(健康な成人男性41名)に対して研究内容の説明を行い、同意を書面にて得た。その後、「運動習慣に関する調査(国際標準化身体活動表:IPAQ)」を実施し(1st Step)、その結果を基に、腸内フローラ調査のための便サンプル提供者(アスリート群: n=17、非運動群: n=18)計35名を抽出した。そこで、まず食習慣について、管理栄養士によるインタビュー(FFQ NEXT)を対面で実施した。さらに、腸内フローラ調査のための糞便採取キットを使用した採便を実施した(2nd Step)。便サンプルからの腸内フローラ解析については、現在実施中である。また、便サンプルの一部を用いた便移植実験による、ヒト化腸内フローラマウス作成の準備を進めている。 IPAQ、および推定最大酸素摂取量の結果から、非運動群と比較してアスリート群が有意に高い運動習慣を有しており、期待する被験者確保に問題がなかったことを確認している。 本研究課題を通じて、腸内フローラを介した運動パフォーマンスへの影響について検討し、タレント発掘やアスリートの健康管理のためのモニタリングシステム開発、および健康づくりへの運動効果の新規視点の発見、さらには細菌サプリメント(プロバイオティクス)の開発などへの広がりを期待して、現在進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の収束を待って、動物実験と並行してヒトを対象とした実験を進める予定であったため、これまで大幅な遅れが生じていた。しかし、無事、倫理委員会の承認も得られ、ヒトを対象とした調査研究がスタートできた現状において、ようやく遅れを解消できつつあり、現段階ではやや遅れているとの認識である。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の収束に至りつつあり、動物実験と並行してヒトを対象とした実験へと進めることができた。ようやく目途がたちつつある中で、ヒトアスリートからの糞便回収を一旦終了し、その腸内フローラの解析を現在実施中である。加えて、動物への便移植実験も準備段階に移行できており、このまま順調に進めば、期間内に一定の成果が得られるものと期待している。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定している腸内フローラ解析、動物実験用マウスの購入費・飼育費、さらには、学会発表のための旅費として執行を予定している。
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