研究課題/領域番号 |
19K22837
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
青嶋 誠 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90246679)
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研究分担者 |
矢田 和善 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (90585803)
石井 晶 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 講師 (20801161)
赤平 昌文 筑波大学, 数理物質系(名誉教授), 名誉教授 (70017424)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | 超高次元データ / 個別化モデリング / 天体スペクトル / 次世代シーケンサー / クラスタリング |
研究実績の概要 |
個別化医療を低コストで実現するためには、超高次元データについて、モバイルPCでも処理できる高速計算と、巨大なノイズを精確に処理できる統計解析、そして、それらの新技術を統合した個別化モデリング法の確立が急務である。次の3つの研究目的を遂行した。 (1) 超高次元データの高速クラスタリングとIID変換法の開発 (2) 超高次元データの潜在構造とノイズ構造の精密な統計解析 (3) 超高次元データによる個別化モデリング法の確立 (1)について、カーネルPCAの高次元漸近的性質を明らかにし、最適なカーネル関数の選択法を与え、超高次元データにおいても高速かつ高精度なクラスタリング法を開発した。(2)について、超高次元データの階層的な潜在構造に着目し、個のデータがもつノイズ構造と潜在構造の距離が最大となるように距離関数を選び、個の潜在空間に基づく階層的な分類を可能にした。(3)について、個の特徴がノイズに埋もれることで一点に集中するという"data piling"現象を解明し、それを防ぐための新たな距離加重分類法(DWD)を提案した。この分類法に基づいて、巨大な個の特徴量を浮き彫りにする個別化モデリング法が開発された。本研究は、天体の分光観測による分光マッピングなど、超高次元の天文データにも応用された。個別化モデリング法を用いることで、モバイルPCでも、高速にノイズを処理して各天体がもつ個の潜在構造を高精度に抽出することが確認された。 本研究の成果は世界的に注目され、幾つかの国際会議で特別講演と招待講演を行った。本研究課題に関連する国際シンポジウムを、対面+オンライン(Zoom)のハイブリッド形式により、つくば国際会議場で開催した。なお、本研究課題に関連して、青嶋は筑波大学Best Faculty Member Awardを受賞し、石井は日本計算機統計学会奨励賞と応用統計学会奨励論文賞を受賞した。
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