研究実績の概要 |
本研究では、『ボトムアップ型IoT=すべてのモノの情報化』につながる基礎実証を目的としている。2021年度は、2020年度までに実現した技術をベースにさらに検討・改善を進め、環境光駆動が可能な回路構成について目途を得た。 ①専用光起電力チップの実現を進めた。2020年までに基本的な発電性能を確認したデバイス構造についてプロセス最適化を行い、目的に必要な発電性能を確認した。 ②2020年度までに設計・試作したチップの評価を行い、これに基づいた回路改善を進めた。2020年度に実現した内部バイアス生成回路の最適化を進めた。さらに2020年に考案した新方式スイッチング回路の詳細設計を進め、環境光駆動が可能な10nAレベルでの動作に目途を得た。 ③IoTの情報送信技術として、これまでに搭載してきた光によるデータ送信に加え、RF(2.4GHz, 5GHz帯)でのデータ送信機能を実現した。現時点でのピーク電流が10mAを超えるため光駆動での動作での利用のためには低消費電力化および発振立ち上がりを改善する必要があるものの、本研究が目的とするボトムアップIoTへの採用が期待できる。
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