研究課題/領域番号 |
19K22854
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小野 哲雄 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (40343389)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | ナッジ エージェント / ウェルビーイング / ヒューマンエージェントインタラクション / 環境知能システム |
研究実績の概要 |
本研究では“ナッジ”を「心のナビゲーション」として捉え、それを我々がこれまで研究を進めてきた Human-Agent Interaction (HAI) の基盤技術を用いることで“ナッジ”エージェントとして実装することにより、人々を「良い行動」へと導くことが可能な、新しい社会的インタラクションの枠組みを提案する。この研究目的に対して、2019年度は、(a) プロトタイプシステムの設計・実装、(b) 人工知能学会におけるオーガナイズドセッションの開催、(c) その他、書籍の出版や講演などを行なった。 具体的には、(a) 本研究で提案するコンセプトに基づく“ナッジ”エージェントシステムのプロトタイプの試作を行い、技術的な問題点について検討を行なった。次に、(b) 2019年度 人工知能学会全国大会(第33回、開催地:新潟市)において、オーガナイズドセッション「“ナッジ”エージェント:人をウェルビーイングへと導くエージェントの構築へ向けて」(2019年6月4日)を開催し、100名以上の参加者により本研究テーマに関して活発な議論を行なった。また、(c) 本研究のコンセプトを書籍『マインドインタラクション』(近代科学社、2019年刊行) 2.7節「ナッジエージェント-人々を幸福へと導くささやかな仕組み」として出版した。さらに、JST RISTEX研究開発プロジェクト「人と情報テクノロジーの共生のための人工知能の哲学2.0の構想」での招待講演(2019年8月29日、北海学園大学)およびUHB大学での講演(2020年1月21日、道新ホール)をとおして本研究の紹介を行い、参加者と議論を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたとおり、研究計画調書で述べた、1. プロトタイプシステムの設計・実装、2. 研究成果の発表および議論、3. 他研究領域との交流を積極的に進めることができたため上記の評価となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書で述べたとおり、今後は本研究の目的である“ナッジ”エージェントのプロトタイプの設計・実装をさらに進め、本システムを用いた評価実験を行い、当初提案した機能をシステムが有するかどうかを検証していく予定である。さらに、本研究計画の終了後、社会実装可能なシステムとするためにさらに研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、国内会議への出張(2回分)がキャンセルとなったため当該年度の研究費に残額が生じた。新型コロナウイルスの影響が収まった段階で、代替もしくは研究分野が同じ会議に出席し、発表および議論を行う予定である。
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