研究課題/領域番号 |
19K22864
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
田中 雄一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10547029)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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キーワード | グラフニューラルネットワーク / 深層学習 / グラフ信号処理 |
研究実績の概要 |
本年度は基礎的な検討として,グラフニューラルネットワークにおけるプーリングに相当するグラフ上の信号のサンプリングに関する検討と,点群(ポイントクラウド)に対してグラフニューラルネットワークを利用することで修復する手法に関する研究を行った. ・グラフ上の信号のサンプリング サンプリングは信号点数を削減する手段であり,信号処理の分野では広く研究されている.一方で,今まで研究が行われてきた時間・空間領域のデータと異なり,グラフ上のデータは一般に空間上に不規則に分布している.そのため,信号処理の知見を利用できる機会は限られていた.本年度においては,帯域制限されていないデータを復元するためのサンプリングである,一般化サンプリングをグラフ上データへ拡張する研究に取り組んだ. 本年度においては,一般化サンプリングで広く用いられている信号の仮定である,1) 部分空間に関する情報,2) 滑らかさに関する情報,3) 統計的な情報 を利用した手法が,グラフ上データでも適切な仮定のもとで利用できることを明らかにした.本成果を IEEE Transactions on Signal Processing や IEEE ICASSP などの信号処理分野の主要論文誌・国際会議で発表した. ・グラフニューラルネットワークによる点群修復 点群データはグラフニューラルネットワークの主要な応用対象であり,自動運転や 3D 情報処理などに応用が期待されている.本年度においては,グラフや点数に依存しないグラフニューラルネットワークに関する基礎検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体的に計画通り進展していると言える.新型コロナウイルスの影響により国際会議等がキャンセルされたりしているものの,研究自体は遅滞なく進展していると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では,真に深層にできるグラフニューラルネットワークを作成するという目的のために,効果的な深層ニューラルネットワークの構成に関して研究を進める.特に深層展開と呼ばれる手法を応用することで,グラフに依存せず,かつ深層なニューラルネットワークを実現する.また,深層展開中でサンプリングを利用しデータ点数を削減することで,深層かつ効率的に学習を行うことができる手法とすることを目標とする.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスにより機器の納品が年度内に確約できるか不明だったことと,学会出張等が中止になったため次年度使用額が発生した.新型コロナウイルスの状況が落ち着き次第機器の発注を再開する予定である.
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