本研究では,心理物理学実験の結果に基づき触覚のGestalt理論を確立することを目指す.このため,まず二本の鋼線の位相差と速度比を種々変化させて心理物理実験を行い,この2つのパラメータとVHI感の関係を調査した。その結果,触覚のGestaltとして平行移動と伸張の要因を新しく導入して,これらによりVHI感を予測する数式を定式化した.この導かれた数式を用いれば,本年度の実験結果だけでなく,条件の異なる実験結果に対しても精度の高い予測が可能となることを明らかにした.また,心理物理実験法とNIRSにより,触覚次元を構成する要因やVHIと脳賦活の関係についても調査した.
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