本研究の目的は,熱放射を利用し,空間中で仮想物体を提示する錯触覚提示装置を実現することである.我々はこれまでに熱放射をレーザスキャナで投影するシステムを実装した.さらに,熱画像と光学画像を組み合わせた掌の空間位置取得手法を提案し,提示システムを完成させた.加えて,熱提示における時空間パターン制御により,痛み生起時間を高速化する手法についても提案,検証した. このように空間中で仮想物体情報を錯覚として提示可能なシステムにより,非接触ながら触覚情報を提供可能なインタフェースデバイスを実現し,熱による痛み提示の特性について明らかにすることで,今後の熱による触覚インタフェース開発の可能性を示した.
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