研究課題/領域番号 |
19K22881
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
内川 惠二 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (00158776)
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研究分担者 |
鈴木 雅洋 常磐大学, 人間科学部, 助教 (30397046)
福田 一帆 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 准教授 (50572905)
鯉田 孝和 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 准教授 (10455222)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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キーワード | 色恒常性 / 色覚メカニズム / 先験的知識 / 動物発達実験 / 証明視環境 |
研究実績の概要 |
今年度も昨年度から引き続き、動物実験が行える研究施設を探した結果、研究分担者の一人が今年度から所属した大学でメダカを使用する可能性があることが分かった。メダカ飼育のための設備の準備は進めたが、新型コロナウィルスの感染拡大により、他大学のメダカ実験の専門家との接触が非常に困難となり、メダカの安定した飼育と実験実施にはかなりの準備期間が必要となった。したがって、メダカによる実験実施は来年度以降に延期することとした。 これと並行して、昨年度から進めてきた機械学習による色恒常性獲得の環境条件依存性の結果が人間の色恒常性の個人差に当てはまるかどうかを検証するための実験を進めた。人間の心理物理実験の実施のための装置や実験プログラムの準備を進め、ほぼ準備は終わった。さらに、心理物理実験の刺激として用いるハイパースペクトルイメージの風景画像を収集して、照明光が変化したときの画像を作成し、実験用ディスプレイに呈示するための準備を行なった。その結果、デイスプレイの精度により、刺激画像のLMS値が正確に呈示できない場合があることが判明した。この問題を解決するためにはLMS値の再現性にある程度の許容範囲を入れる必要があるので、その許容範囲の設定を行なっている。また、新型コロナウィルスの感染拡大により多数の被験者の確保が困難であり、これらのことから、研究期間の延長を申請し承認された。したがって、今年度は準備実験のみとなり、心理物理実験の本実験は来年度以降に行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度も新型コロナウィルスの感染拡大により動物実験関係者との接触が非常に困難であったことが研究活動へ大きく影響した。そのため、当初の計画にある動物実験は被検体をヒヨコからメダカへ変更したが、進展は少ない。しかし、当初の研究計画を変更して、機械学習を行なったことにより明らかとなった色恒常性獲得に必要な環境条件の結果に基づいて行う人間の心理物理実験の準備を進められたことは実績として認められる。これらのことを総合的に鑑み、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は補助事業期間の延期が認められたので、今後は機械学習の結果をもとにして人間の心理物理実験を実施することを今後の研究の推進方策とする。その結果を基にして被験者の個人差が個人の成長過程での照明環境に依存していることを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大により被験者の確保が困難であり、これらのことから、研究期間の延長を申請し承認された。したがって、次年度は心理物理実験の本実験を行うために被験者者者金等に経費を使用する。また、研究発表打ち合わせのための旅費と学会参加費のために使用する予定である。
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