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2020 年度 実施状況報告書

なぜ全盲の人が障害物を避けて歩けるのか? -膝状体外路系機能の解明-

研究課題

研究課題/領域番号 19K22886
研究機関関西医科大学

研究代表者

宮内 哲  関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80190734)

研究分担者 仲泊 聡  国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (40237318)
研究期間 (年度) 2019-06-28 – 2022-03-31
キーワード眼球運動 / 膝状体外路系 / 瞳孔径 / サッケード
研究実績の概要

健常被験者及び膝状体路系の障害による視覚障害者の膝状体外路系機能を眼球運動及び瞳孔径を指標として調べるための高速眼球運動記録・解析システムを構築した。
具体的には,リフレッシュ・レートが250Hz(4ms)のディスプレイ,250Hzで視覚刺激を提示できるGPUボードを採用したコンピューターと,500Hz(両眼)及び1000Hz(単眼)のサンプリング・レートで眼球運動及び瞳孔径を計測できるアイ・トラッカーを組み合わせて,計測・解析のためのプログラムを作成した。眼球運動及び瞳孔径を500~1000Hzで記録・解析できるシステムは従来から存在したが,視覚刺激の呈示時間は60Hz(16.7ms)に過ぎず,膝状体外路系の機能を調べるには不十分だった。本システムにより,高速で提示される視覚刺激に対する眼球運動及び瞳孔径を高いサンプリング・レートで記録できるようになり,潜時の短いエクスプレスサッケードや,持続時間の短い修正サッケードを正確に記録・解析することが可能になった。
当初の計画では,令和2年度は健常者,令和3年度は研究分担者が所属する施設において,膝状体路系の障害による視覚障害者を被験者にして眼球運動の実験を行う予定であった。しかし新型コロナウイルスの感染拡大に伴う実験の制限により,現時点では視覚障害者を被験者にした実験の目途が立てられない状態にある。現在は研究室のごく少数の健常被験者を用いて予備的実験を行っている。コロナによる実験の制限が解除され次第,健常被験者による実験と,視覚障害者を被験者にした実験を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究課題を遂行するための眼球運動・瞳孔径計測システムは構築できたが,新型コロナウィルスの感染拡大に伴い,広範に被験者を募って行う実験が制限されている。また視覚障害者を被験者にした実験も事実上禁止されているため,遅れが出ている。そのため,現在は研究室のごく少数の被験者を用いて予備的実験を行っている。
また眼球運動計測システムも,コロナの影響により,必要な機材の納入が遅れたため,遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画では,令和3年度は,研究分担者が所属する理化学研究所(神戸)及び神戸アイセンター病院において,膝状体路系の障害による視覚障害者を被験者にして眼球運動の実験を行う予定であった。しかし新形コロナウイルスの感染拡大に伴う実験の制限により,現時点では視覚障害者を被験者にした実験の目途が立てられない状態である。現在は研究室のごく少数の健常被験者を用いて予備的実験を行っており,コロナによる実験の制限が解除され次第,健常者による実験と,視覚障害者を被験者にした実験を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究課題の遂行に必要な計測システムは完成したが,新型コロナウイルスの感染拡大の影響で,広範に被験者を募って実験を遂行することが困難な状態が続いているために被験者謝金を使用しなかった。
また成果発表のための学会も全てオンライン開催となったため,出張旅費を使用しなかった。
令和3年度に,より高精度の眼球運動記録のために計測システムを改良及び健常者と視覚障害者を被験者にした実験が可能になり次第,被験者謝金として使用する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 図書 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Default Mode Networkと睡眠時の自発性脳活動2021

    • 著者名/発表者名
      宮内哲 寒重之
    • 雑誌名

      脳神経内科

      巻: 94 ページ: 200-205

  • [雑誌論文] 宮内哲2020

    • 著者名/発表者名
      脳波黎明期におけるLoomis の知られざる功績 その4
    • 雑誌名

      臨床神経生理学

      巻: 48 ページ: 74-80

    • DOI

      10.11422/jscn.48.74

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] fMRIと脳波の同時計測による睡眠と意識の研究2020

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 雑誌名

      精神医学史研究

      巻: 46 ページ: 72-77

  • [雑誌論文] アンジェロ・モッソ -魂の重さを測った研究者-2020

    • 著者名/発表者名
      宮内哲
    • 雑誌名

      精神療法

      巻: 46 ページ: 511-513

  • [雑誌論文] 脳機能イメージングと睡眠2020

    • 著者名/発表者名
      宮内哲 寒重之
    • 雑誌名

      睡眠医療

      巻: 14 ページ: 335-340

  • [学会発表] 閉眼時瞳孔径と眼位の計測法の開発 ‐予備的研究‐2021

    • 著者名/発表者名
      宮内哲 川上彰 小寺正敏 兵頭政春 堀田建仁 今渕貴志 プリマ・オキ・ディッキ
    • 学会等名
      第31回日本生理心理学会大会
  • [学会発表] A New Method to Measure the Pupil Size and the Eye Position of Closed Eyes2021

    • 著者名/発表者名
      Miyauchi S, Kawakami A, Kotera M, Hyodo M, Hotta K, Imabuchi T, Prima ODA
    • 学会等名
      European Conferences on Biomedical Optics
    • 国際学会
  • [学会発表] 求心性視野狭窄・中心暗点シミュレーションにおける眼球運動の測定2020

    • 著者名/発表者名
      久保寛之 堀口浩史 古田歩 早乙女慶輔 仲泊聡 中野匡
    • 学会等名
      第124回日本眼科学会総会
  • [学会発表] 視標のサイズと輝度における全方向へのサッケード平均潜時への影響2020

    • 著者名/発表者名
      早乙女慶輔 仲泊聡 久保寛之 古田歩 堀口浩史 高橋政代 中野匡
    • 学会等名
      第9回日本視野画像学会学術集会
  • [図書] 睡眠学第2版 第9章13節 fMRIによる睡眠研究2020

    • 著者名/発表者名
      日本睡眠学会編 宮内哲 三﨑将也 寒重之 阿部高志
    • 総ページ数
      696(執筆分6)
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-30120-5
  • [図書] 睡眠学第2版 第13章3節 眼球運動と夢2020

    • 著者名/発表者名
      日本睡眠学会編 宮内哲
    • 総ページ数
      696(執筆分6)
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-30120-5
  • [産業財産権] 眼球状態観察方法および眼球状態観察システム2021

    • 発明者名
      宮内哲
    • 権利者名
      宮内哲
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-059445

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公開日: 2021-12-27  

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