研究課題/領域番号 |
19K22890
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
野村 収作 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (80362911)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | ストレスホルモン / コルチゾール / 毛髪 / 爪 |
研究実績の概要 |
毛髪や爪はその成長過程で血中のホルモンを取り込む。毛髪は1ヶ月に約1cm、爪は約2㎜成長する。よって、日々の体調を反映するホルモンが、その成長とともに毛髪や爪に蓄積されていれば、毛髪1㎝・爪2㎜にはそれぞれ1ヶ月分のホルモンの分泌状態が反映されることになる。つまり、この仮説が正しければ、毛髪・爪は「健康状態の記録媒体」と言える。この仮説を検証するため、本研究は、日々の体調を反映する体内のホルモンの変動を定量し、その変動の積分値が毛髪や爪に蓄積された同ホルモンの量に比例するか否かを実験的に精査する。具体的には、①体内のホルモン変動(瞬時値)を1ヶ月間、経時的に定量してその積分値を求め、②同じ期間に成長した毛髪・爪に含まれるホルモンを定量し、③両者の関係性を精査する。①において、「体内のホルモンの変動」を長期間にわたり、精密に調べようとする場合「唾液」が唯一の解決策である。唾液には体内のほぼ全てのホルモンが含まれており血中濃度との相関も高い。ただし、多くのホルモンは概日周期を有するため、1日3回(1ヶ月間)採取して正確な変動曲線を求める。②「毛髪・爪のホルモン」は対象期間に成長した分量を精密に定量する。毛髪は1ヶ月に約1cm、爪は約2mm成長する。尚、分析に必要な検体量は5-10mg程度である(毛髪:数十本・爪:指1本分)。①および②で収集した検体から生化学分析によりターゲットとするホルモンをそれぞれ定量し、被験者間・内における関係性を統計的に分析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、一昨年度と同様に20名の被験者を対象として実験を拡大する予定であったが、コロナ禍により実験を実施することが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、一昨年度と同様に20名の被験者を対象として実験を拡大する。同時に一昨年度実施したグループにおける毛髪・爪と唾液中のホルモンについて生化学分析を実施し、両者の関係性について統計的に検討する。今年度の実験データについても分析を行い、多変量解析を用いて交絡要因を洗い出す。さらに、腕時計型心拍数計のデータと毎日3回採取される唾液中のホルモンの関係について時系列分析を行うとともに、日常生活における自律神経系-内分泌系の相互作用について分析を行う。最後に、本研究により得られた成果をとりまとめ、学会・論文等により発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により実験を中止せざるを得なかったため、当該助成金が生じた。今年度は中止となった実験を規模を縮小して実施する他、既存試料の分析のための消耗品購入に使用する計画である。
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