人の毛髪は1ヶ月に約1cm、爪は約2㎜成長するが、その成長過程で血中のホルモンを取り込むことが知られている。よって、日々の体調を反映するホルモンが、その成長とともに毛髪や爪に蓄積されていれば、毛髪や爪には中長期にわたるホルモンの分泌状態が記録されているはずである。この仮説を検証するため、本研究では、30日間にわたり唾液中のコルチゾール分泌(体内の分泌と高い相関が認められている)を経時的に評価し、当該期間を含む間に成長した毛髪および爪に含まれるコルチゾールとの関係を分析した。その結果、爪・毛髪それぞれにおいて、唾液中コルチゾールと有意な相関関係が認められた。
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