酸素の微量安定同位体であるO-17を濃縮した酸素分子を密閉容器中の水試料に添加し、一定の培養期間中に進行する呼吸 (酸素消費) 反応で変動する水の同位体比を高精度に定量化することで、呼吸速度を高感度、高確度かつ簡便に定量出来る新手法を開発した。この新手法で定量化される呼吸速度の精度・確度を検証するとともに、これを用いて、海水および湖沼水試料の呼吸速度を実測した。すると一次生産が活発な表層で速く、新鮮な有機物の少ない深層水中で遅くなった。また、光を当てて培養すると、遮光して培養した場合と比べて呼吸速度が上昇することが明らかになった。
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