研究課題
前年度に硫酸処理で消失するAhRアゴニストの蓄積が示唆されたトビを対象に、Gel Permeation Chromatography (GPC)で精製したトビの肝臓抽出液を高速液体クロマトグラフ(HPLC)で詳細に分画し、polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs)などの昜分解性AhRアゴニストの代謝影響を抑えるよう改良されたPAH-CALUX (Chemical Activated Luciferase Expression)で活性値を測定した。HPLCカラムは、オクタデシルシリル基(Octa Decyl Silyl: ODS)修飾型シリカゲルが充填されたLuna 2.5μm C18-HST (100×2.0 mm)を用い、UV検出器を接続したHPLCにPCDD/Fs、mono-ortho PCBs、non-ortho PCBs、PAHsの標準物質をインジェクションすることで、検出されたピークの保持時間から既知のAhRアゴニスト活性物質の溶出フラクションを推定した。その結果、比較に用いたハヤブサの肝臓ではAhRアゴニスト活性の大半はPCDD/FsとDL-PCBsのフラクションで観察されたのに対し、トビではこれら塩素化ダイオキシン類に加え、PAHsが溶出するフラクションで相対的に高い活性が認められた。既知のPAHs溶出画分とは異なるフラクションにも活性が観察されたことから、未同定AhRアゴニストがトビの肝臓に蓄積していることが推察された。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
Environmental Science and Pollution Research
巻: 30 ページ: 20765~20774
10.1007/s11356-022-23674-6