野生鳥類5種7検体の肝臓試料を硫酸もしくはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で精製した抽出液を、芳香族炭化水素受容体(AhR)介在活性の評価が可能なin vitroバイオアッセイに供試したところ、すべての検体でAhRアゴニスト活性が認められ、とくに猛禽類のハヤブサやトビで高い活性値を示した。また、硫酸処理抽出液よりGPC処理抽出液で高いAhRアゴニスト活性が検出されたことから、酸処理で消失するAhRアゴニストの存在が示された。高速液体クロマトグラフィーを用いた詳細分画と機器分析から寄与物質の推定を試みたところ、ダイオキシン類だけでなく多環芳香族炭化水素関連物質の肝臓蓄積が示唆された。
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