ニワトリは、鳥類のなかでも入手が容易でゲノムが解読されているため、鳥類の毒性試験のモデル生物となっている。しかしながら、ニワトリ胚は不透明な卵殻内で発生するため、胚への化学物質曝露試験では同一個体の経時的発生毒性を観察することができない。したがって鳥類では、魚類モデル生物であるゼブラフィッシュのように、受精卵への暴露試験によって「いつ、どこに、どのような毒性が生じるのか?」といった詳細な情報を得ることが難しい。本研究では、卵殻がない状態で胚を発生させる装置を毒性学研究に応用し、ニワトリ胚の発生毒性を経時的に観察することに成功した。この装置を使い、ニワトリ胚の発生毒性発現過程を可視化できた。
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