本研究の目的は,培養細胞に放射線1グレイが照射された際にDNA損傷(DNA変異)がどれほど残存するのかを算出することである。1グレイ照射によって1細胞には全ゲノム中に40 ~ 50個二本鎖切断が発生すると考えられているが,それらの二本鎖切断は細胞の修復機構によって修復され,実際に後世に残存する変異数は不明である。 一塩基置換(single nucleotide variation)数検索において,3グレイ照射群2細胞,非照射群3細胞の比較を行ったが,その差はない。解析対象が少ないがSNVにおいては,少なくとも10個以上細胞に残存することはなさそうである。欠失数は,解析途中である。
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